詩人:りんくす | [投票][編集] |
ただいまぁ!
…あれ?
「おかえり」は?
だめ
ちゃんと言って?
無理矢理言わせることじゃないだろって?
だーめ
言ってくれないと
あなたが笑顔に
なるきっかけ
なくしちゃうでしょ…?
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ぐるぐる
ぐるぐる
思考が回って
取り留めない
収拾がつかない
洗濯機な日
それでもきっと
ぐるぐる回るうちに
余計なほこりは
落ちちゃって
少しはきれいになってる
だって
洗濯機の日だもん
しわをのばして
お日様の光に干したら
真っ白から始められる
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手をつなぎたくて
あなたの手が格納されてる
ポケットに
そっと手を
伸ばしてみる
途端に
「今、俺の財布
スろうとしただろ!」
言い捨てて
省みずに歩き続ける
あなた
(そんなことする奴だと
思われてたんだ…)
ショックで
血の気がひいて
動けなくなる私
あなたは知らないの
私があなたの言葉を
いちいち真に受けて
呆然としてること
だってまさか
照れ隠しに
スリにされたなんて
想いもよらないし
第一
振り向きもしないから
照れてるのか
わからないんだもん
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この季節になると
淋しさが
無限大になるようで
樹の涙が
落ち葉となって
はらはらと
降り積もる
頃合を見計らって
風が落ち葉の束を
きれいに運び去るが
また…
はらはら
はらはら
何度繰り返したろうか
落ち葉もめっきり減り
樹が小枝を揺らして
微笑む
…ありがとう 風よ
もう悲しくはない
大丈夫だから
南の国へ旅立たれよ
風は答えた
…樹よ
すっかり丸裸のあなたは
未だふるえているではありませんか
落ち葉がなくなっても
減らない何かを
抱えたままで
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まるで私を待っていたように
不思議な魔力で
呼び寄せたアルミ製のランプを
手に取り三回擦ってみた
すると出てきた魔神が言うには
三つまでなら
何でも願いを叶えましょう
では
あの人といちゃいちゃ
させて下さい
急に目眩を起こした
大魔神
大丈夫?と
しばし肩を貸す
やっとのことで
ふらふらしながらも
改めて願いを問われ
同じことを告げると
急に怒り出す大魔神
はるか海を越えた地では
政事が原因の諍いがあり…云々
長い話が終わり
改めて願いを問われ
同じことを告げると
急に泣き出す大魔神
身内に不幸があり
見るに耐えぬ経験の連続で…云々
長い話が終わり
再び願いを問われ
同じことを告げると
急にアラームが鳴り
実はランプを出てから
制限時間がある故
もうランプに
戻らねばと
なんとかマンのような
ことを言い出す始末
ならばせめて
あの方に一目
逢わせては戴けぬかと
懇願すれば
願いは今叶ってると
一言残し
大魔神は慌てて
ランプに還ったのだった…
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少し悲しい青
透明で
繊細で
涙の味のする
晩秋の秋空
昨日降った雨に
さした
色鮮やかな傘を
並べて干している
またきみの涙雨が
降ったら
一緒に入ろ?