遅い！
のイライラが
来るのかな？
の不安に変わる頃


しゃがみこんで
落ちた涙を探してたら
背高のっぽの影が
近付いてきた
隣りに立ち止まると
私の影にキス


思いっきり
ふんだっ
てしてやったら
離れてく影


そのまま先へと
歩み去る…


行っちゃやだって
想わず追いかけようとしたとき


後ろから私を抱き締める
腕のぬくもり
眩しくて
振り向けないまま


ひとつに重なった影を
宵闇がそっと包んでく

また自分の体を抜け出して
とりとめのない思考の沼へ
溺れにいこうと企んでいる
きみのところへ一暴れして
まぐにちゅーど１０.０の
ピンポイント大地震
起こしてみる


怒り出す寸前の
一瞬無防備になって
呆気にとられた顔のうちに


ポイント１０.０の
あどけないほほ笑み満面で
可愛らしく謝るから


たまには
びっくりしたなぁって
笑って許してね？

肩 凝ってないかな


また難しい顔して
あなたが考えなきゃ
すべてが止まってしまうみたいに


あの
にゅうどうぐもを
見てよ


Ｅ.Ｔ.が心配して
指を差し出してる


あなたの胸にそっと…

動く気配に
耳を立て
すかさず飛び掛かる
猫のしっぽ


つかまえたと思った
自分のしっぽは
するりと逃げ
果てない
追いかけっこの
始まり始まり


こんな小憎たらしい
きみのしっぽ


甘えんぼのときは
なぜか可愛い
“？”の形なんだよ


知ってた？

今度は


なーに スネてんだ？


ん？

モアイな顔したすぽんじ


吸い込んで


溜め込んだ


寂しさ


ぎゅっとしぼれば


涙にかわる

きみの姿が見えずに
寂しいときは
ゆでたまごを
食べるの


しろみを割ったら
出てくるきみに
ちょこっと ちゅ


できたてほやほや
ゆでたまご
きみからほやほや
湯気がでる

小さな舟に
ふたり乗ってると


きみは時折
オールを持つ手を止め

いきなり
舟を揺らして
私を怖がらせる


きゃぁって
きみにしがみつけば
いいものを


ついオールにしがみついちゃって
きみは仏頂面


それに気付いて
ほほ笑み漏らせば


またかわいく
そっぽかな

話すことが
ないときでも


背中と背中を
合わせて
もたれていれば
ぬくもりが伝わる



ほら



怖くなんかないよ

遠くから響く
雷鳴に乗り


微かな雨の香り


樹々が元気になる前ぶれ


こころが穏やかになれる


ピアニッシモの雨音