詩人:niko | [投票][編集] |
砂漠を歩いていた僕はある日
大きな道へ出た
するとそこへ君が歩いてきた
僕は君の前で両腕を広げて
通せんぼをした
君は真っ直ぐに僕を見て
自分の両手にたましいを乗せて
僕に見せてくれた
それはとても美しく輝いていた
それから僕らは肩を並べて歩きながら
たくさんの話をした
僕は砂漠の中で見てきたものの話を
君はこの道で出会ったもののことを
僕らは一度も立ち止まらずに歩き続けた
太陽も月も僕たちを追い掛けたけど
いつも追い付けなかった
悔しがった太陽は月と相談して
僕らを離れ離れにしようとした
君には太陽が夢を見せ
僕には月が夢を見せた
気付くと僕は夜に向かって歩き
君は真昼に向けて歩いていた
そんな風にして僕らは
いつかとても遠くなってしまった
だけど僕は月の光の中でいつだって
君の夢を見る
太陽の光の中で
僕の夢を見る君の
夢を見ている