詩人:メメントモリ | [投票][編集] |
5:55分
デジタル時計が赤いランプを点滅させている。
俺はそれを持つと
壁に思い切り投げつけた。
時計は無残にも
酷い音を立てて内臓をばら撒き
息絶えた。
笑いが止まらなくて
布団の中で転げまわった。
今日は最高の日だハレルヤ。
神が居たなら叫んで居ただろう。
だが俺はそんな愚かなことはしない。
神は死んだ。
人間が創り出し
ロンギヌスの槍で刺し殺した。
あんたは恨まなかったかい?
この世を
世界を
人間を。
俺はもう
時計を進めることは無いけれど。
もう
逃げることも無いんだ。
ハレルヤ
ハラショー
サヨウナラ。
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キライ
キライ
お花もキライ
お空もキライ
お星様も
なにもかも。
嫌に成ってしまったの。
頭が痛いよ
胸が痛いよ
どうしての繰り返し。
嫌だよ。
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僕の中に
小さな欠片があって。
それは
崩しちゃいけないものだったりするんだ。
例えば
ルーズリーフは必ず左から書き始めるとか
使うシャーペンは、同じもののにするとか
そんな
些細なこと。
だけど
それが崩壊したとき。
僕の中の
何か小さな
プライドみたいなものが
きっと
壊れちゃうんだな。
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なぁ
僕等は何の為に生きとんのかなぁ?
傷舐め合って
身体摺り寄せて
それでも生きなあかんのかなぁ?
すぱっと
人生終わらせられへんのかなぁ?
もう
腕も
足も
頭も
疲れた疲れた言うて
よう動かんよ。
それでも
生きていかな
いかんのかなぁ?
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僕は見ていた
ずっと見ていた
姉は哂った
アタシを豚みたいだと哂った
僕は見ていた
ずっと見ていた
父は打つ
アタシを物のように虐げる
僕は見ていた
ずっと見ていた
母は泣いていた
声を殺して泣いていた
アタシは
憎くて
悔しくて
妬ましくて
浅ましくて
唇を咬んだ。
思い切り咬んだ。
僕は見てたよ
ずっと見てたよ
君が壊れていく様を
ぼろぼろに成っていく様を
だからもう
堪えるのはお止しよ。
僕だってもう
耐え難い。
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雨の日君は家を飛び出して
そのまま帰ってこなかった。
電話がかかってきた翌日昼
君は冷たくなってた。
あの時
どうして諍いをしたんだろう
あの時
どうして君を引き止めなかったんだろう
あの時
どうして君を追いかけなかったんだろう
ぐるぐると視界は回る
僕はあれから君のことばかり考えているよ
君が居なくなった此の世界は
灰色だ
灰色だ
灰色だ。
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言葉が運ぶ幸せを
貴方は知っていますか?
傷つけて
ぐちゃぐちゃに成ったアタシの左腕を見て
貴方は言いました
「君が泣いているようだ」
どんな言葉よりも
どんな褒美よりも
暖かく
優しい
だから
アタシは云いました
「アタシは貴方の前でしか泣かないわ・・・。」
そして
そっと腕を収めたのでした。