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柚の部屋


[74] 存在
詩人: [投票][編集]

滑稽な愛に生きたピエロが居た

ある日のこと 愛を失った

愛を失ったピエロは

演じることができなくなって

いつしかあの蒼い空を

憎むことしかできなくなった


理想の夢に生きた旅人が居た

ある日のこと 夢を失った

夢を失った旅人は

道に迷ってしまい

いくつも分かれた道を

選ぶことができなくたった


人はなにで生きているのか

問うても答えは見つからず

自分に不安を覚えたのかもしれない

蒼すぎる空を憎んだのも

道がわからなくなったのも

僕 僕のこと


道端の野草が風に揺られれば

僕の髪も風に揺れた

自分の口ずさむ歌に

酔いしれながら歩く愚か者

ふと気づけば誰もいなくて

自分はこのまま消えてしまいそうだった


右の小道に入り

そのままどこかにいけるかと

けれどその一歩を踏み出せず

結局は決まった道を歩いた



もしも本当にここに僕がいるならば


誰か愛してると言って



誰か一人僕を愛してると言って


2009/04/03 (Fri)

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