詩人:柚 | [投票][編集] |
滑稽な愛に生きたピエロが居た
ある日のこと 愛を失った
愛を失ったピエロは
演じることができなくなって
いつしかあの蒼い空を
憎むことしかできなくなった
理想の夢に生きた旅人が居た
ある日のこと 夢を失った
夢を失った旅人は
道に迷ってしまい
いくつも分かれた道を
選ぶことができなくたった
人はなにで生きているのか
問うても答えは見つからず
自分に不安を覚えたのかもしれない
蒼すぎる空を憎んだのも
道がわからなくなったのも
僕 僕のこと
道端の野草が風に揺られれば
僕の髪も風に揺れた
自分の口ずさむ歌に
酔いしれながら歩く愚か者
ふと気づけば誰もいなくて
自分はこのまま消えてしまいそうだった
右の小道に入り
そのままどこかにいけるかと
けれどその一歩を踏み出せず
結局は決まった道を歩いた
もしも本当にここに僕がいるならば
誰か愛してると言って
誰か一人僕を愛してると言って