詩人:柚 | [投票][編集] |
誰にも見られない
灯りに照らされ
白いこの手をなぞるのは
桜の花びら
寂しさの心に
波紋を呼ぶように
静かな水面に
舞い落ちる
揺れる黒髪が
頬をくすぐれば
じわり じわり
世界がぼやけて見える
言葉にできない
胸の中の声
言葉にできても
声として出すことはできない
この気持ちはなんだろう
この思いはなんだろう
ただ桜が
僕の手をなぞるように舞い落ちる
真っ暗な夜が
僕をなだめて
眠りへと誘うけれど
君への思いで照らされた
心がそれを許さない
希望のない思いなら
どうか期待なんてさせないで
どうせなら
この桜の花のように
肌をなでるだけであって