詩人:老女と口紅。 | [投票][編集] |
‐オリビアの瞳‐
私の名はジョニー
船乗りで海添いに
小さな店を構える
酒場のマスター
波が静けさを取り戻す頃
看板に一つ明かりを灯す
今宵も気の合った仲間達が一人
また一人とやってくる
やぁ
いらっしゃい
馴染みの客、リク
カウンターの右端は彼の指定席
イカツイ体の左腕にはイカリの彫り物
彼の自慢の入れ墨さ
船乗りには
葉巻に水割り
みやげ話があればいい
酔いがまわれば彼は
同じ話を何度もするんだ
イタリアの海の青色は
最高だぜっ‥ てね
そしたら私も決まって
こぅ 答えるのさ
船旅の途中で拾った女
オリビアの瞳より澄み切ったブルーなど
この世には存在しないのさ‥ と
明日からまた旅に出る
小二階にある
小さなベッドに
オリビアを一人残して‥