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老女と口紅。の部屋


[63] シズク‥
詩人:老女と口紅。 [投票][得票][編集]


どしゃ降りの
 闇夜に紛れ逃げ惑う


気が付けば森の中
 枯れぬ涙と森の中


その場所は

 自由なようで
  圧縮された空間

空気に流れは感じない‥

静かなる雨上がり
静寂だけが時を打つ


疲れ果てしゃがみ込み
   うつむけばその姿


朽ちゆける老木のよう‥


深き森


月明かり抱けば葉の一雫
プリズムの如く虹色を放つ


 シズク‥


無情がゆえにその光 悲しく
無情がゆえにその姿 愛しく


人知れず輝けるなら
地に落ちるまで見ててあげる


この雫のように
  その悲しみを

虹色に変えて
 解き放てるのなら


それは
 きっと 幸せ‥



 尽き果てるまで
 消えゆけるまで

精一杯に生きよと森は言う


そして森は
 ゆっくりと割れ

背負いし重圧を
 優しく解き放なつ


なれば
日差し眩しくも降り注ぎ
 癒されてゆく君の目に


見上げれば青い 空

流れるは 雲

風 吹き抜けて‥ 心

涙 拭い去り
瞳 明日を見据え

 両腕は天空をかざし
 両足は大地を蹴り上げる



そして君はまた

希望を抱いて
 歩み続けるんだ‥

2006/04/11 (Tue)

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