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杳子の部屋


[3] 決壊
詩人:杳子 [投票][得票][編集]

振り返ればいつも灰色

どんより空の亜鉛の曇

手首に血、手首から鉄

傷、蚯蚓のバーコード

君と際会した地、金星

肉の鼓動、心臓の鼓動

心臓、マヤカシ、幻想

雨降る夜に眺めた星空

かぎりなく妄想また夢

振り返ればいつも灰色

どんより空からの夕立

濡れる髪、鞄から剃刀

リストバンドから蚯蚓

灰色は私、私から夕立

鉄に預けた少しの虚勢

ただ蛇口が壊れた水道

胸のヘッドホンプラグ

ご清聴感謝いたします

2012/12/10 (Mon)

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