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杳子の部屋


[9] 曲目の最後は私
詩人:杳子 [投票][編集]

凍てついた耳を塞ぐヘッドホン
小さく漏れる旋律は外界への抵抗

午前三時に目覚める朝は
白い吐息が教えてくれる
呼吸の法則

とめてしまえば安らかなりと
目を醒ますこともなかっただろう

午後三時に出かける昼は
たどる足音すすむ進む
展開の法則

手袋忘れて
ポッケのマッチの空箱をぐしゃり

午前零時に飛び立つ夜は
掻き消す月光静かに語る
此岸の法則

無駄だと知れば
がんばることもしなかっただろう

いらないと投げ捨てたヘッドホン
小さく漏れる旋律は街の喧騒

いらないと投げ出したMP3
名もなく奏でる旋律は私

2012/12/09 (Sun)

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