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あかつきの部屋


[309] 孤独な自由
詩人:あかつき [投票][得票][編集]


希望の歌なんていらない
子守歌を歌って

眩しい太陽なんていらない
今ここに静かな暗がりを

手にしたのは
孤独に似た自由

なんという自由……





月日は流れる
夜明けもなく
夕暮れをただ繰り返す

飛んでいるの?
それとも堕ちているの?
なんでもいいから道標を

涙と一緒に枯渇する感情


誰とも分かち合えない痛み
撫で合いもできない傷

すべての人の
差し出される手が
罠のように見えるよ

所詮人なんて孤独な固体





他人に向けたナイフは
いつしか自分の首元に

一番憎む奴が誰なのか
すべてを失くして知る

このままここで
朽ち果ててしまおう
生きる事も死ぬ事もせず

孤独に似た自由のなかで



期待の数だけ未来が怖い
笑顔の数だけ自分が憎い

答えのないまま
傷ばかり増えてく

何も見えないまま
暗闇の朝が来る

2010/10/18 (Mon)

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