《記憶》雨に濡れた庭に閉め出された幼い日を思い出した小さなあたしは何も知らず無垢でした御母(はは)の手は冷たく温かいものでしたなぜ忘れることができるのだろう?欲しいのは、望んでいるのは、御母の冷たい手じゃなくて………雨に濡れたのは御母でした泣いているのも御母でした「ごめんなさい」をあと何万回、云えば許されるでしょう?
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