詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
、
もこもこだねワンワン
はなクンクンとして
ピチャピチャとミルクを舐めたなら
まんまると仰向けた
柔らかいお腹がパンパンだ
扉をノックする音
ぴんと立てた耳
そして開いた
扉の向こう側の眩しさ
ほら、僕が立つと
君も立ち上がる
もう新しい旅立ち
こうしてボール遊びをしていても
君のいる理由を推し量る事なんて
誰に許されるだろう
風に
もしも姿が与えられたなら
音も立てず
君みたいに
駆け抜けてゆく
本能って
ビニール袋にくるまれた
標本なんかじゃあないはずさ
君のいる理由を推し量るなんて
誰に許されるのだろう
それが始まり
出会いと別れ
涙と笑顔
どうする事もできない遠い夜
君の名を呼ぶ気持ちを
僕の最初の子供の名前に刻みつけた
小さな始まりだとしても
雄々しく猛々しくあっておくれ
どうかその敏感でしっとりした鼻先が凛々しく
追いやられていく夜のとばりの方ではなく
夜明けの方を目指しますように
そしてその方角をこそ
『明日』とよぼう
、
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俺の頭には
お前が
めんどくさいから
オナニーした
そしたら
臭くてだとか
理由が生まれて
旅という
暖かい理由が包み込んだ
地図に引いた線のペン先が机からはみ出して落下
頭に直撃
頭蓋骨が陥没
ちょうどうまい具合に
窪みに雨水が溜まり
腐った雨水にボウフラがわいた
そこへ
浮きを投げ入れる
何でもいい
釣りがしたい
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汚れて
手に馴染んだ
野球グローブの先から
よじ登り
土から這い出た
蝉の
抜け殻を肩に
上へゆくため
噛みしめてきた時を
土臭い体の隅々に
少しずつ蓄え
ついにそれを糧に
純白の新しい体を
真っ青な空を背に
さらけ出した
やがて
しっかりとしたタッチの
鉛筆デッサンのような輪郭が
堅い意志を刻みはじめる
ナニモカモミナ
アタラシイ
蝉はそう鳴く
ビーズの黒い目玉に映りこんだ景色が
カメラの
シャッター音くらいに
鮮明に記憶に蘇る
薄く透明に開かれた羽の隅々まで
しゃんとした呼吸の道筋が行き渡り
一枚一枚に
指に摘んだ感触があり
過去か今なのかも
もうない
ナニモカモミナ
ナツカシイ
分かっている
何の理由もたず
缶切りみたいにその事の為だけに
こうしてあり
たとえ
他になんの役にもたてなくても
万全の準備と真剣さを
誰かに知られる事に
慰めを求める事にすら
余力を残さなかった
たとえその時
弱音を吐いてしまっていたとしても
もう、たどり着いている
(今は亡き同僚であり釣友、大城に捧ぐ)
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真っ赤なコウロギが
飛び跳ねた
蹴られた目蓋の感触の延長線に
瞬く、薄い羽を境に
こちら側と
むこう側で
互いに見る
来れたものと
来れなかったもの
新しくなれない朝
外れ落ちたキャップ
使い手のない鎖
空に向かって血が滴り落ち雲をめくりかえすと
骨肉のような
あだがさらけ出される
そんなわけがない
空は
なんにも知らないのだからお互い様だ
、
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
ブリキの玩具の匂いは鉄の匂い
アジサイの鉢植えの匂いは土の匂い
駄菓子屋の冷凍庫の匂いは氷の匂い
コロコロした子犬の腹の匂いは砂の匂い
赤に黄、青に白に緑
ダイヤブロックの匂いは
プラスチックの匂い
バラバラに分解した
ラジオの基盤は
ハンダの匂い
ひどい火傷をして
病院に迎えにきてくれた
抱きしめた匂いは
母の匂い
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
雲ひとつ無い
真っ青な空を背に
真っ赤な観覧車が
ゆったりとした速度で回る
スクリーンにも
あなたは映っていた
憧れを教えてもらった妬みの時から
うれしさをやどした痛みを抱えて
美しさを、今も思っています
別れが、出会いだったように
やさしいくちずけが
幾度ともなく交わされては
遠ざかってゆく
ただ
ただただ汗ばむ手に握りしめたチケットのような
真新しい香りと
早すぎる時刻に
劇場の前を彷彿とする
世界のどこかを廻り
進んでいくあなたを探し
一呼吸ごとに息を吐き
小舟のオールを漕ぐ方角へ背中をむけて前進していく不思議さが
あてどもなく開いていて
それが
今も、続いている
kikaku2013 「朝」
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文字通りの羅列に
渇いた喉が咳き込む
遠い過去の
高い空のどこかで
誰かが
たったの
ボタンの
ワン、プッシュだ
視力が
張り裂けしまうほどの
閃光が全てを呑み込んだ
なにも
わかりたくない
なにもわかりようもない
未来永劫に
どうして
そんな事に
なってしまうのか
毎年
3万人がこの国では自殺する
kikaku2013 「白」
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タバコを携帯灰皿に揉み消した
沖縄のローカルニュース
最近じゃあ毎日
「オスプレイが配備」
「オスプレイが飛んだ」
「オスプレイが一機、二機オスプレイが三機、四機」
ここは内地の都道府県に比べて
国からアメリカの手前
不平等に扱われている
らしい
尖閣諸島に竹島
中国に韓国、台湾
メディアにインターネット枠組みに捕らわれた狭苦しい電気配線みたいな道理
誰かに仕組まれたいがみ合い
負の連鎖の入り口とメビウスの輪
歴史教科書の古い地図
ドイツみたいに
分断されたうえに
あれほどの大戦の遺恨がヨーロッパで払拭されたのはやはり
地続きの利なのか
パンダとか可愛いみたいでも当然、猛獣だし
冬のソナタてどんなメロディーなのか知らなくても
アイドルはやっぱり可愛い
国家なんて枠組みは
政府なんて枠組みの中で安泰な給与と退職金と天下りを保証されたい努力家達のご褒美の優先順位順
つまりは人権の矛盾を時の流れに身を任せられないミーハー
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をカッターナイフで
できるだけ
根元のほうから切り落とし
しょんべん臭い
ありてえを
キーホルダーに無理やり
ぶら下げ
わかりきった景色に
青くたれ落ちた濁点
火曜には
尖く硬い針金の先を
薬指の先から
手の甲まで骨にそって
突き刺して
しっかりとさせたい
切り落とされた
を
連中や連中の意見に
君にはわからなくなってしまってほしくない
また、書くよ
、
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歌詞と
メロディーとは互いに、ひたすらに
求め合い、焦がれ合う
人でいう恋人同士
互いが互いの為でなければ
よろこぶ事も悲しむことも意味がなく
、