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遥 カズナの部屋  〜 「つがい」への投 票 〜

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[186578] つがい

詩人:遥 カズナ

女は雪の結晶のよう
男は抜け落ちた鳥の羽のよう

もう戻らない過去は
少女が胸に抱いた花束のよう
まだ見ぬ未来は
少年の瞳に映った高い木の黄金虫のよう

僕は扉の鍵を外す
彼女は目を閉じる

台所の湯気の香りは
窓から夕暮れの玄関先へと流れだし
帰る家がある幸せを
通りすがる誰にでもやさしく教えてくれる

「ただいま」
「おかえりなさい」

守ろうとするほど失うのに諦めてしまえば、いつのまにか寄り添っていて

きどってみせても
何かを落とせば格好がつかないし
だらしなくふざけてみせても
結局はみっともなくて
わかり合う意味が
ぼやけてしまう

恋愛詩は書きたくない

君以外だったから
あきらめてこれたのかもしれない

「夕食はなに」
「揚げ出し豆腐とサラダ」
「うん、ありがとう」
「お疲れ様」
「うん」





2014/10/11 (Sat)
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