詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
母猫が子猫を呼んでいる。
「お前の可愛い子猫は…」
母猫が呼んでいる。
「表通りで車にひかれてしまったよ…」
母猫が呼んでいる。
あのアサガオのくるくるとしたツルのような可愛らしい尾が、風に跳ね回る事はもう無い
母猫が呼んでいる。
「うるさい猫め!」
…悲しくなる…
母猫が呼んでいる。
…そうだね…
私もお前と思い出そう…
あの子は可愛い子だった
本当に可愛らしかった…
母猫が子猫を呼んでいる。
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牢獄にあっても
幸せを見出だす人は居るが
宮殿にあっても
不幸しか目に映らない人も居る
それは夜、灯りに群がる虫達のようじゃないか?
一点の視界
以外の視界に
無限の自由はある。
、
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碧い月と潮騒の浜辺
人魚の亡きがらは打ち寄せた
淡い月の光りにさえ
透ける程白いその肌は
今しも波へと溶けそうだ
暗い沖からきっと
仲間がこちらを見つめてる
波音も物悲しく聞こえて来る…
彼女の夢は人を愛する事
報いは泡と消える事
碧い碧い潮騒の夜
願いを叶えた月の夜
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誰も居ない劇場の
僅かに日の射す舞台の上に
赤い花びら一ひら
静かにそっと落ちていた
押し寄せる客席を向こうに
暗く高い天井を見上げ
赤い花びら一ひら
何も知らないみたいに落ちていた…。
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いいかいよくお聞き…
世界なんて本当はありはしないのさ
君はプリズムなのさ。
詩が現実の世界で
君を透して世界を君に映し出して見せているのさ
そうでなければ
どうして世界がこんなにも美しく
また
醜く見えたりするだろ
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めくるめく海原はどこまでも碧く過ぎ去って行く…。
「何もかもかまうものか」
果てしのないこの海底で今日の糧にさえありつければ他の事はたいした事じゃあない。
上の方じゃあ…
「ほら」
波が日差しと万華鏡のようにじゃれてやがる。
「いいぞ!」
いつものように
どこまでも行こう。