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[51399] ヤシの木

詩人:遥 カズナ

夕暮れのヤシの木の肌は

嫉妬のような日の熱い眼差しに

きめ細かなブラウン管の三色

青、黄、赤…の光る粉が

触れたならサラサラとこぼれるように鮮やかに息づいている

台風の度に生死の境目さえ知るその腕は

こんな優しい午後にも休まずに空を仰ぎ

手の平を強く開いて

幾すじもの爪を空を裂く切り絵のように深く浮かび上がらせる

それは滑るような瞳の艶やかさで風に揺れ、眩しく日を反射したりさえするのだ…



『生きる事をひがんじゃいけないよ…』




傷だらけの幹にそっと額を当ててみたくなった

風に立つ美しい人のようだから

2006/02/23 (Thu)
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