詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
そこいらにある
木の葉に
私はなりたい
誰からも
何の抑揚も込められず
ただ「はっぱ」とだけ発音され
どうでも良いみたいに
風に吹きっつらされて
千切れて 掻き消されてしまいそうな青空に
涙でも 笑顔でも 怒りでも無い
爽快な緑の息吹きを
いっぱいにふりまいて
貴方の呼吸の健やかな
たしになりたい
その存在感さえ希薄なままに
この幸せと命とを引き替えにしたら
ありきたりすぎて
忘れ去られるという
自分の取り分を
慎ましく受け取り
自然のいとなみと
やわらかく握手をかわして
青臭く 青臭く 青臭い
不器用さで恥ずかしげに
うなずき
落ち葉に貴方が戸惑う頃には もう全てをまっとうして
青空に掻き消され
きれいに
きれいに
なくなっていて
しまいたい…