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遥 カズナの部屋


[105] 白い三匹の子犬
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

廃墟となった工場跡
捨てられた
白い三匹の子犬
寄り添い合い
暖め合っていた

コンクリートの地べたの片隅
クローバーの三つ葉の
無垢な初々しさで つらなり
可愛らしく ペロペロと
凍えた指先を舐めてくれた

「三匹はとても飼えないし離ればなれにするのも
可哀想だ」

風にクローバーが揺れる

上空に連なる白い雲も 
やがては 暮れなずむ
遥かな果てに掻き消え
過ぎ去るほかにない

この工場跡の景色も
もうすぐ 闇につつまれる

夜が待ち受けているなんて夢のよう

命の数だけ

死が待ち受けているなんて

嘘のよう…


2007/04/20 (Fri)

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