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遥 カズナの部屋


[107] 線香
詩人:遥 カズナ [投票][編集]


誰しも

待っているものがあって

あてもなく
ただ 近づく予感だけが 静かに燃えていて

その期待は

いつしか 音も無く
炭化する灰のように
ポロポロとこぼれ落ち

何を待っていたのか

忘れてしまいそうな
喪失感を
上の空のふりして
カレンダーに目をやり
週末を楽しみにしながら

早く老いる事を
それとは知らずに願い

温暖化の空を燻す
二酸化炭素を
まき散らしながら

どこへ
たどり着けるわけでも無いくゆる願いは

感触も熱も持たないまま
思い出を置き去りに
立ち上るばかりだ




2007/10/21 (Sun)

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