詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
人がどうなのかは知らないけれど
嘘か本当かなんてところで
おんなじところをグルグルと廻っているようだから
やっぱり私は偽善者のようだ
そうやって
ぐずぐずとした気持ちでいると
どういうわけだか書きたい事柄のような、どうでもよいような
底の方から這い上がり絡みついてきたのか、それとも上の方から降りて来て賜ったものなのか
無視して通り過ぎれば
二度と振り返りもしないだろうに
鳥の
羽毛のかけらような
それを
つまんで
匂いを嗅いでみたり
フワフワと宙を漂わせて遊んみたり
しまいには
単行本に挟んで、大事にしまっておこうとする
そうしていると
なんだか煩わしくなって来て
わざわざ釣りの支度を整え
釣り餌のかわりに
針にひっかけて海へ放り込んでしまう
もう大事なのか無意味なのかも、分からないふりをしているのか
分かったふりして今までやって来たからどうでもよくなったのか
ウキを見つめて問いただしてみても答えはなく
それでも竿を上げて
仕掛けの先に無事にそれが残っていると
安心したような、獲物を得られずにがっかりしたような
そんな気持ちになる
そうして帰ると、きっとこう書く
「今日は釣りに行ったが釣果はなし」
そしてこう書く
「また行きたい」
と
、