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遥 カズナの部屋


[308] 視野
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

仕事終わりには
よく

雲を眺める

この
世界の光景は
物質に光があたったとき
それぞれの特有の性質で
反射できる光の色が
そのものの色彩になる

夕暮れの雲は
白桃のようにも
それとも
グレーに近い紫陽花か

立ち止まって
空ばかり
眺めていると
通りすがりや
近所の誰かから
変わり者のように
見られているだろう

いや
なんでこんなにも壮厳で
どんな画家でも表現出来ない
ましてや文字になんて
しようもない
全天に描かれた
揺れ動く光と絵の具
色彩のプラネタリウムを
無視していられるのか
みんな
何を見ている

だとしても
どうして
俺は
いつもこうも
喧嘩腰なのか

きっと
被害妄想
なのだろう

夕映えの空
その美しさが
誰しもに
伝わっていないなんて
馬鹿げている

そんなわけはない

2021/09/01 (Wed)

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