詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
車に
レジャー椅子を
放り込んで
とにかく
出かける
どこでもいい
息苦しい
会社には
昨晩から痛みだした
親知らずの抜歯の為だと
口腔外科へ行くのだと
大嘘ぶっこいて
有給取った
いや
本当は抜いた
痛みで一睡も
していない
抜いた昼さがりから
ほっぺたが
こぶとり爺さんみたいに
どんどんと
膨れあがっていく
いや
なんでもいい
とにかく
会社に行きたくなかった
その夜には麻酔が切れて
しこたま痛かったが
それまでの夕暮
海岸にレジャー椅子
同僚が仕事しているまっ最中に
最低さ
俺は最高だと思った
最低が
最高だったんだ
俺は
最高に
しょうもない
最低を楽しんだ
痛み止めを
もう
飲んでもいいだろ
嘘つきでも