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遥 カズナの部屋


[340] スプリンクラー
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

蝉の
真っ黒な眼に
蘇る空

鍵を掛け忘れた気がして
賃貸アパートの
三階へと
階段を駆け戻る

汗だくで
じっとりと手首に巻いた
腕時計の
時刻があんまりで
朝の
分針の速さと
蝉達の鳴き声に

もうこんな時期

微かに
線香の香りがする


2022/07/09 (Sat)

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