詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
なんせ
旧式オンボロサイレン
だから
どれだけ警告したって
微か過ぎて
彼の耳まで
届きはしないんさ
『駄目ダ。ヤメロッテ!
彼女ニャ手ヲ出スナ!』
いままでに無かった
ひょんなトコから
産まれた
浮ついた気持ち
彼は
誰にも止めらない
頭冷やさず
彼女にお熱
あっぷあっぷ
ヒートアップ
登って調子こいて
テンション高々で
ぶっ千切って理性
隣で涙ぐむ君
のち
途方に暮れる夜
今回ばかりは
お手上げだ
好きな人より
誰かを好きになる人を
制御するにゃあ
この代物
チト古すぎて
使い物にならんぜぃ
仮に彼に
まともな部分が
少しでも
残っていたらば
耳を塞けば
聞こえたハズだ
『駄目ダ。ヤメロッテ!
彼女ニャ手ヲ出スナ!』
彼女の前で
尻尾フリフリ
腰をフリフリ
アホ過ぎな無謀さは
彼の
隣の君を
突き落とす日が来ると
いうリスク背負うと
そんな
バカさ加減にも
気付けないのは
胸の高鳴りが
警報だと気付けなくて
ハートが上手く
機能しないのだって
仕方がないのかよ
どうなんだ
『駄目ダ。ヤメロッテ!
彼女ニャ手ヲ出スナ!』
届かない
何を言っても
今の彼は
止められない
一途な不純一直線
彼女まで
届いたなら
もう戻らない
振り向けない
今ある幸せ過去になり
新たな幸せ手にした時
彼は心から良かったと
思えるかい
その時
隣の君は
裏切られたと
切なくなるかい
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白濁に濡れる
君の顔を見て
望みを失う
人間は臭い
生きている間中ずっと
吐き気のする
匂いを嗅いで
過ごすには
何かで紛らわさなければ
じゃないと
萎えたままで終わる
瞬間の為に
身を滅ぼすのは
簡単だから
すぐに傾けた
泣いている君の
首を絞める
何をされても
緩める事無く
首を絞める
歪んでいる
誰だって真直ぐじゃない
本気で
誰かを愛したかったから
愚かな行為に
及んでしまった
僕を真正面から
愛してくれたのは
君だけだったのに
オカズにして
消化してしまった
夏の雨が降り注ぐ
君を
抱き締めていた
暖かさが奪われた今も
ずっと
いつまでも
ずっと
いつまでもは
ずっとは続かないと
知っているのに
僕は
抱き締めていた
愛した行為を
確かめるように
溺れても最後は
萎えて終わるんだ
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不幸せな方にばかり
目が行くのは
自分が幸せだからか
幸せな方にばかり
目が行くのは
自分が不幸せだからか
基準や価値を
決めるのは自分
自分は何処に居て
何処に行けばいいのか
決めるのは自分
でも自分が自分だと
決めたのは自分か
自分じゃないのか
自分が行くしかないのか
自分で行くしか
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三十分は短い
一時間半は長い
六時間は短い
十三時間は長い
一日は短い
一週間は短い
二週間は長い
一ヵ月は短い
一年は短い
三年は長い
二十三年は短い
六十年は短い
百年は長い
二千年は長い
一万年は長い
一億年は長い
一光年とかどうよ
十七文字は短い
五百七十五文字は長い
スプーンの詩は大体長い
千文字越えて失敗したり
読むのは短いのが好き
でも長いのも好き
あなたの今は長いですか
それとも短いですか
スプーンは
長いような気がします
終わると早く感じます
時の流れに翻弄されて
気付けば超長駄文に
時間は悪くないってば
はいゴメンくさい
失敬しました
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僕は料理を作る
君は人を殺す
僕は研がれる
君は傷付けられる
僕は錆びる
君は折れる
どの未知
同じ結果なら
生まれ変わったら僕は
君を磨く意志になりたい
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浅い眠りから目覚め
坂を登るまでに
考えるのは
夢のない事ばかり
この先に辿り着いても
ロクでもない事ばかりか
望まなくても進む
エスカレーターな生
誰のせい
自分のせいか
夢がないから
見てしまう夢を
飽きずに降りるまで
生きてしまう僕を
止められないから
今日があるが
明日はあるの
一日が終わり
眠るまでは長く
朝起きて
思い返すと早く
浅い夢の跡巡り
また坂を登ってる
その先に
夢がなくても
何があっても
僕は
あるがまま
生きて逝くしか
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独りぼっちが
嫌だから
黒に包まり
闇から逃げた
姿を隠したのに
自分を消せなくて
余計に苦しくなる
生きていると
ゼロにはなれないの
光から遠退いて
否定ばかり
上手くなる
影へ影へ
進めば進むほど
自分だけになって
怖くて怖くて
より暗い深い
奥底へと
入り込むんだ
黒に怯えて
黒に頼って
黒に覆われ
黒に染まり
差し出された
救いの手を
払いのけた
「ヤメロ!
剥ガサナイデクレ!
僕マデ
持ッテイカナイデ!!」
黒に慣れてしまい
黒を手放せなくなった
今
光を浴びたら
器は中身を失い
発狂して暴走してしまう
「ダカラ
オ願イ
助ケテクレルナラ
黒ゴト抱キ締メテ」
星や陽は
内側から輝き
闇を照らす
光を放つのに
どうして僕は
陰る一方なんだろう
黒に飲み込まれる
自分が居なくなる
駄目だ
助けて
消えたくないよ
「ソレナラ
手ヲ伸バセ!
僕ノ手ヲ掴メ!!」
苦しいのなら
離さないで
自分自身を
助けてくれるのは
黒じゃない
君自身だ
「ホラ
僕モ輝イテル」
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深夜1時すぎに
ゴミを漁る子猫は
ハローハローと
陽気に歌えるのか
望みを絶つ前に
救われないから
叫ぶんだ
助けて
二階から顔を出した
お婆ちゃんが
とぼけたように
笑ってる
コンニチワって
助けて
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一つ分かったのは
あの唄を聴いても
僕は
僕のままだって事
だから歌った
伝えたくても
くだらないかもしれない
だけども
このまま此処で
座っていても
ウズウズして
落ち着かないから
僕は
僕のまま
唄を歌おうって
思ったんだ
それだけなんだ