詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
コンニチハ
コンニチハ
音よりも
気持ち速めに変化する
人の群れ
新世界から
コンニチハ
はるか昔から
きみが居て
これから先に
出会うとしても
コンニチハ
コンニチハ
世界が変わり
人間が替わる
コンニチハ
コンニチハ
サヨウナラ
サヨウナラ
光より
気持ち遅めに訪れる
旅の気配
旧世界から
サヨウナラ
未来にぼくが
居なくても
もう戻らない
別れでも
サヨウナラ
サヨウナラ
世界が変わり
人間が替わる
サヨウナラ
サヨウナラ
コンニチハ
コンニチハ
新世界から
コンニチハ
これから始まる
ここから始まる
きみ達の世界が
ようこそ
ぼく達の世界へ
コンニチハ
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何度誤って
何度謝らずに
座って下を向いたろう
隙を見て
逃げ出そうとしたろう
一番下の引き出し
上から次々と
新しい失敗を重ねるから
忘れてしまうんだ
ふとした時に
何か別の物を
探している時に
奥の方
掴んだもの
さっと手を引いて
バタンと
引き出しを閉じた
見られてないかと
周囲を確認
ほっと息を吐く
心の中から殴られる
貴女ならなんと言う
なんとなく分かる
理解らないけど
一生きっと
こんなんだから
こんなんだって
こんなんじゃあ
ダメだけど
ダメだけど
ダメだけど
否定されるであろう
真実をすべて
肯定して開き直る
誰かの傷口が開いたり
閉じなかったり
何人殺したとか
簡単に殺すって言う
疲れたって言う
死にたくなると
息を殺す
この声が
喉が
喉の奥の
心の奥の
もっと奥の方になんて
そんな幻想はないよ
でもきっと
また歌う
なんて顔で
ムカつくツラで
媚びてるような
嘘で化粧して
男じゃなかったんだ
歌うな
そんなんで歌うな
そう言われても
誰も聴きたくない
そう言われても
黙れ
そう泣かれても
やっぱり
無理して
口を閉じて
開いた傷口が弾き語る
そんな良いもんか
語るな
歌ってる
歌ってる
他人への声援を
勘違いして
愛を
間違えて
歌ってしまう
唄を
唄じゃないから
それでも
歌う
バカみたいな
本当にバカな
泣いた涙に価値もない
もう歌うなって
見てるこっちが
それでも
俺は僕は
ぼくは歌ってる
去れ
消えた方が良い
此処でもう歌うな
目の前で歌うな
歌う
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パーパーラッタラ吹いた
夕焼け揺れた
パーパーラッタラ弾いた
子牛が消えた
パーパーラッタラ鳴いた
お腹が空いた
パーパーラッタラ描いた
笑って眠った
パーパーラッタラ済んだ
後は任せた
パーパーラッタラ泣いた
もうおしまいだ
パーパーラッタラ
パーパーラッタラ
踊った踊った
パーパーラッタラ踊った
あの子が帰った
ふるさとのおはなし
ふざけたおうた
くすりがきれた
パーパーラッタラ
パーパーラッタラ
パーパーラッタラ
ラーラーラー
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隣の部屋から音がする
なんだか無性に気になって
壁が邪魔だな
どうしようかな
小さく穴を開けてみた
が
何が何だか
よく見えない
シャッシャッシャッ
カッカッカッ
パッパッパッ
シャシャシャシャシャ
何かをしているような音
耳について離れない
シャッシャッシャッ
カッカッカッ
パッパッパッ
シャシャシャシャシャ
もうやめてくれ
沢山だ
声に出して喚いたら
どんなに楽になれるだろう
閉じた目
再び開いてみると
壁の先の目とあった
僕より数倍大きな顔で
そいつは言ったよ
コンニチハ
あっ音がしない
サヨウナラ
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赤い眼をした
白い男
実験ネズミと
呼ばれていたよ
赤い眼をした
白い男
僕の目を見て
笑っていた
白い肌に
白い髪に
白い身体に
白い精神
笑うと
白い歯がチラリ
奥の方には
暗い赤が
実験ネズミと
呼ばれていたよ
どんな性格
どんな行動をして
声はどうなの
それぞれが
それぞれに
それぞれの
実験をして
その反応を
知りたがる
学者の好みで
色をつけられても
文句も言わずに
笑っていたよ
僕の目を見て
笑っていた
流れる血の色
暗い赤か
僕と一緒か
それならなんで
実験ネズミと
呼ばれていたよ
赤い眼をして
僕を見てた
それは
架空のお話で
あなたには
関係のない話で
赤い眼をした
白い男
実験ネズミと
呼ばれていたよ
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するり抜けていく
木綿のような
後味遺らぬ肌ざわり
逆に気持ち悪い
飛ぶ鳥が濁す寒さ
内側から冷えてくる
何か
ぶつけてやりたくなって
使用済みのティッシュ
丸めて投げた
紙一重で届かない
ブラジルは遠い
一度くらい振り返れ
足早に去る猿
肩が軽い
みぞれの辛苦
背負って行った
遠足帰りの物悲しさで
口笛知らずに
ひらひらすたすた
ひゅるひゅると
帰らない路を急ぐ
上塗りし過ぎて
チョモランマ
頂上からでも
もう見えないな
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答ばかりを投げ棄てる
飾る殺陣
切り刻まれろ
大人の階段
真ん中辺りで
辞めたさ満開
これ以上はもう
そう言い遺して
転がり落ちる
勇気は無ぇ
しみったれた
茶色い愛だけ
ぱちくりぱちくり
瞬き増やせ
ブタに埋もれる孤立
輪切りにしてよ
お金じゃ
心は増やせません
何万回も聞いた話
飽きてもダメだ
もういいかい
もういいよ
もういいかい
もういいって
まあだだよ
もういいよ
まあだだよ
もういいって
まだまだダメだ
もういいや
喋って過ごす
変身は出来ません
もういい大人だし
まだまだ大人のままだ
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頭にないことは言えない
掻き立てる風は昔に
止んでいる
ぎゅるぎゅると回転
時計とは逆回りで
皮削がれ骨身に染みる
その音
抑え方は知らないな
この身体
勝手に動いてないな
目の前を通る
右から左に
両手は空だから助かった
舟の最終も過ぎたけれど
いま一度どうかと
思い改める
素振りだけ
働かない頭は休憩中に
夢も見ずに書いている
泣き声を求めずに
無視をして
翌日
疲れたなんて
言い訳をする
人を外れて千里先
行けないか
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頭がおかしくなる前に
黙って口を
開いていれば
この部屋に
危害を加えずに
君も震えはしなかった
昂ぶる気持ちは
後からじゃ
うまく思い出せない
悪いのは俺じゃない
全部君のせいにして
解決策を浮かべない
泥の舟だろうと
お前が認めて
持ち上げなければ
溺れもしない
それでもダメだ
渡りきってから
悔やんでも
もう遅い
黙っていたんじゃ
分からない
憤り開いたものが
花じゃなければ
何なんだ
救いがないな
まだ救いを求めるの
愛がないな
まだ愛を求めるの
散々
悲しんだフリをして
突然
怒りが込み上げて
ビルというビルを
破壊する怪獣
チャック閉めるのも
忘れてしまって
半分中身が出ているよ
イケナイ異物がさぁ
あれはお前じゃないのか
あれは
おい
お前じゃないって
まだ言う気か
頭がおかしかったから
思い出せない
ゴメンナサイ
でも悪いのは全部
俺だよなゴメン
だと
お前の心はどこにある
彼女の震えは止まらない
夢の中でも暴れてる
無軌道の化身
お前じゃないなら
何か言え
まだ黙るなよ
責められたら
また狂うのか
攻められたら
また守るのか
愛じゃないなら
何か言え
お前じゃないなら
何か言え
文句があるなら
口で言え
部屋を荒らしたって
意味はない
後から悔やんでも
仕方ない
彼女が泣いたら
何もない
震えを止める方法は
起こってしまったら
何もない
対岸に
着いてしまってからじゃ
もう遅い
ぶら下がっているのは
希望じゃないからな