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高級スプーンの部屋  〜 投稿順表示 〜


[540] 寂しさ静かに過ぎるまで
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アスファルト照り返す
陽の光から目を背け
空を仰いでしかめ面

不機嫌なまま日陰まで
一直線に滑り込み
隠れていると
奪われていく体温
これ以上何も
失いたくないし
寒いし不気味だし
そそくさそそくさ
その場を後にする

ところで俺は
何を持っている
必要なものは
大切なものは
常に不鮮明
手に取ってみても
イマイチで
人も物も信じられない
ケータイを持つ手
震わせながら
電話をかけた

愛が置いてないなら
安心は売ってないか
妙な問い掛けに
電話口の先の
相手は笑った
俺でも耐えうる場所は
俺が居ても良い場所は
まだ
安らぎ求めた先の
相手は本当に
君なのか
笑い方が
いつもと違う
コイツは偽物だ
じゃあ誰だ
怖くなり
電源を切って走った

歪めた顔を戻すよな
楽しい話したいだけ
目覚めたら疲れが
一滴も残ってないような
そんな眠りが欲しくて
愛する人が恋しくて
走った

この俺
どうにかなりそうだ
自分じゃ何を
するのも怖い
誰か
どうにかしてくれよ

上も前も下も後も
見たくないでも
見えているから
生きているから
だからどうした

真夜中に沈んで
溺れて苦しくて
次の日の朝も
スイッチ入らず
力は抜けたまま
明日は来るのか
分からないけど
今は生きている
不確かな命に
まとわりついて
生きろ
君の元へ
逃げろ
早くしろ

どんな目に遭っても
いま生きていること
幸せに感じるのは
人の勝手だろう
口を尖らせ
泣きながら
怒鳴る
お前は誰だ
君に会いに来たのに
もう
訳が分からない

信じているのは
見当違いの答でしょう
何が
だから
誰だ
目の前に居るのは
目の前に映るのは
信じられる君は
何処に行った
疑問符ばかり
浮かぶ部屋

打たれる頬
叩かれる胸
泣きじゃくる誰か
誰なんだ
なんで泣いてんの
何してんの
笑ってしまう
混乱だ

馬鹿馬鹿馬鹿
罵られる俺
うるさいなもう
黙れよって
抱き寄せた

信じられる君
居ない今
何疑っても
意味がない
黙って誰かを
抱き締めた

寂しさ
静かに
過ぎるまで

2006/03/04 (Sat)

[541] 遺さず狂え
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これは試練です
いいや未練です

轢かれたから殺す
それがたとえ
飛び出したのが僕で
悪いのは全て
僕であっても

憎しみからは
何も生まれないなら
実に好都合
それこそが正義

この答が罰でも
残さず食べれば
問題も無かった事に
実にご都合

生きている時だけ
僕だけになるだけ

2006/03/06 (Mon)

[542] 3月10日
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何もこんな日に
別れ話をしなくても
じゃあどんな日に
まあそうだね

セックスをする時だけ
何か違う
冷静な自分は
後ろに居て
見ているだけ
ひねりのない行為
動物に道具を持たせても
進化しない
ただ気持ち良いだけ

あっさりした笑顔と
深い暗い重い影が妙に
君を際立たせる
気味が悪いね
吐き気がするよ
アンタの顔もね
仰る通り

みんな帰る
いつかは終わる
一昔前に流行った
ポップスを
まだ聴いている
哀 LIKE 愛
そのセリフ何度目だ
使い回しも良いところ

無味乾燥で腐りもしない
つまらな過ぎて
笑けてくるね
目は怖い
見ていない
もしかしたら息も
夢じゃない
裁かれろ尻ショック

別れよう
愛してる
終わりにしよう
最後にもう一回
もうそろそろ
ダメまだイかないで
あっ

単調に曖昧に
すっきりしない
春混じりの空
白い雲に滲む青

一欠片の分際で
完璧を望むから
まともに成れない
卒業しません

形だけの幸せ抱いて
それでも幸せだって
重痛い
今日も明日も明後日も
不幸せな人の分まで
ワガママに身勝手に
不敵に僕は
君は素敵だ
アンタもね
まあね
嘘だよ
まあ

雨音を聴きながら
泣いても仕方ないのに
突き刺さって痛いんだ
止められない
この流れ
桜は咲く遥か前に
散っていました

何もこんな日に
薔薇さなくても
じゃあどんな日に
今日じゃない日に
あっそ

何人かの人は
壊してしまったけど
捨てられずに
大切にもせずに
怖がりながら
痛みを感じない時も
無意識には守れないけど
まだ待ってはいるから
懲りずに
また悔やんでいるから

2006/03/10 (Fri)

[543] 奇望
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奇妙な新世界に
繋がる扉にもたれ
偉大な死を遂げた
彼等の演説や歌に耽る

共に生きること
頑なに拒み
独り
人里離れた
白い小屋に身を潜め
寂静的な生活に浸る
自分の影にも怯えて
セピアに薄汚れていく

ショットガンや
小刀を使って
私の人生を終わらせたい
だなんて
脆くも美しい結末に
憧れてどうする
字面に完璧キメられてる

計画的愚行に
幻想の文字はない
かの有名な指導者も
ミュージシャンも
望まなかった結末を
あなたは望み
所詮コレは
真似事だと嘆く
根源から
間違ってますから

悲しみは悲しいだけ
苦しみは苦しいだけ
体にも心にも善くはない
負荷追いして
自分を痛め付けて
限界を突破して
扉を開けても
日常が続くだけだから
嫌にもなるわな
日曜も終わるから
ついでに人生も
嗚呼くだらない

空虚しさとは非なる
つまらなさに
向き合えない
特別な部分は
欠片もないと
己を受け容れられず
彼等にすがる

断片だけを見て
神だと判断し
伝説を狂信する
要らない真実を
歪める道具で
頭の中はいっぱいさ

天才達の独創性が
俺を壊しにやって来る
それは無いな
妄想に憑り依かれ
自分を非凡だと
思い始める
それは皆無だな
よくある風景さえ
上手く描けない事
忘れてしまったのかい

この眼は
一番上のCを
左と答えた
それも
わざとらしいな
下手な演技じゃ
誤魔化せないのに

扉を開けられない
言い理由で
頭の中はいっぱいだ
馬鹿馬鹿しくて
笑いも救いもありません

人間は人間なだけ
扉を開けても
日常の続きが
待っているだけ
仕方ないなと諦めろ
いい加減
夢から醒めてくれ
この上誰を
困らせたいんだ

転機の訪れは
春より遠く
怠惰が増して動けない
早めに逝きたいな
それからどうする

格好良く奇抜に
冷静を装い
おどけて笑うとは
傑作の一言に尽きていく

後悔する頃になって
泣き顔で赦しを乞うんだ
分かってるから
もう
やめてくれ

糞尿垂れ流して
醜態晒して
希望は無いのか
まだ探してる


希望は無いのか



2006/03/13 (Mon)

[544] すす
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すす
すすす
すすすすす

すすけたかおがすきだ
すすけたかおになれば
たっせいかんがすごい

さいごまで
すすけていたい
いきてるあいだ
すすけたかおでいたい
すすけたかおを
すすけるままに
すすけだして
きみを
すすけさせたい

すすもっと
すすすもっと
すすすすすもっと
すすけたい

2006/03/15 (Wed)

[545] 墜落
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夢から落ちる様から
目を背けたい
朝の五時五十五分
出来が悪く
非道い作品だった
演じる側だって辛いと
吐いても
ベッドの上には
私がひとり

捜そう
あんなにもリアル
雲だって掴めてたんだよ
続きがあって当然だ
夢じゃない
部屋の外に
彼がひとり

友達は居ない
家族とも疎遠で
社会の隅にて
漫画や小説を
数冊ほど買って
好きな音楽を
聴きながら
読み更ける
部屋の中に
彼がひとり

捜そう
誰を
もちろん
彼を
ところで
私は
どこの
誰よ

夢から落ちる様から
目を背けたい
朝の六時六十六分
出来が悪く
非道い作品だった
観てるだけの方が辛いと
吐いても
ベッドの上には
俺がひとり

捜す人も失く
ラジオをつけた

夢じゃない
部屋の中に
俺がひとり

2006/03/20 (Mon)

[548] 女々low
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力が薄く弱い
心が濃く弱い
何をしても普通より
半分にも満たされない
よく鳴き
よく泣く女の子

溢れる涙は
ほとんどの人に
理解されずに
見守られずに
無下に飛ばされる

口で見て
鼻で見て
耳で見て
崩れて壊れて笑っても

鼻で食って
耳で食って
目で食って
砕け散りながら怒っても

耳で嗅いで
目で嗅いで
口で嗅いで
切り裂かれ軋み泣いても

目で聞いて
口で聞いて
鼻で聞いて
全を一や二にして喜んでも

微かな震源を
感じられるのは
触れられるのは
僅かな人間だけだから

僕が
脳に入るシワに
細心の注意を
バカみたいに
払っていた頃

君は
尻尾を振りながら
原始時代さながらの
不透明な鮮明さに
襲われていた事

後になって知ってそれで
触れられずに
感じられずに
抱きしめる行為に
疑問を抱きしめて
貴女を苦しめていた

堂堂巡りの人間性は
器を輪廻すだけの所為だ
近しい存在が離別すると
君はまた涙を流す
進化も退化も
ロクに知らず
優しい気分に
操られている

悟りを閉じて
踵を返し
笑いながら
その頭を撫で
愛でるフリしてる
いつまで続くのか考えて
シワの数だけ
バカになる
そんな人間が
生き続ける材料は

その涙と
その存在と
触れ合おうとしない
嫉恨のカスだ

優れない部分
選りすぐり同一視
異端視して
下から見下してる

限りない罰悪が
劣悪な僕悪に
降り貫いても
苦しむのは独りじゃない
人よりも多く触れられる
人よりも深く感じられる
挙げ句に道連れにされる
運が悪く
人が良い
君の罪は難だろう

短絡的に落胆し
どこまでも底へ
堕ちて活く

何をしても普通より
半分にも満たされない
よく鳴き
よく泣く女の子
今はやすやすと
すやすやと眠り
夢の内

弱いのは僕で
弱いのは君だ
強さを二分にした時点で
気付かなかったのか
あの日二人になった日に
今日こうなると
少しでも
思わなかったのか

分かってたんだろう
最初から
触れていくんだろう
最後まで
それなのに
バカ野郎め

この無能犯が

2006/03/24 (Fri)

[549] 町民クエスト
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喜と楽の違いを
判別できない
3パターンな思考じゃ
あと何ターンで
倒されるだろう

すぐに壊れる服や携帯
1年と持たない
装備を取っ換え引っ換え
勿体ないな
レベルは上がらない
頭は使わず
新品同然

変化しない能力値
上げる薬はいくら
こっちの世界にゃ
ありません
高いから負けてよ
むこうの世界じゃ
買えません
メガネ掛けても
かしこさUPしねぇ

都会の喧騒
罵詈雑言
敗北を避けて通れず
ウチに帰って
わんわん泣きじゃくる
犬は飼ってません

旅は一人で
するものだもの
すもももももも
食べ飽きて
居間で見るTV
ファンタジーじゃ
萌えちゃわないにゃ

ゲームする気もしない
オンラインでも
結婚出来ないし
怪物は腹の底
倒せない
解けないトラップ
溶けてトリップ
戦線離脱足早に
駆けっこは下から1等賞
逃げられず回り込まれ
滅多打ちホームラン
いえOBです

回復薬で軽傷だ痛い
怒も哀も使えない
私の属性は
人間に適していません
まだクビじゃないの
審判も人の子だから
誤る日もあるわな
土下座しても
許す神はなし
人生ゲームの中間地点

近場の本屋や
電車に乗って会社へ
目眩く冒険の
ページ捲る手
妙に重たい
現実世界を
クリアするまで
あと何年かかる
つまらないプレイヤー
締まらないストーリー
続きも俺が演るの
投げ出さなくても
特に意味はないの

フィールドを歩く自分
客観的に
5m離れた明るい場所で
観ていたい
それだと見ないか

最弱なままだ
裏技も必殺技も
身に付かない
魔王もドラゴンも
出現しない大地の上
宝箱すら見当たらないや

伝説の勇者の
血も涙もない
町民Aは
同じ場所を
行き来するばかり

それっ
右ボタンでダッシュだ
そこだっ
左ボタンでジャンプだ
あちゃっ
また落っこちた
自分の乳首連打して
どうするつもりなの
お先真っ青

お尻に差したカセット
抜いてリセットしたら
新しくスタートを
切れるかな
人間以外に再就職か
もう一度
始める為の勇気を
まず探さないと

2006/03/24 (Fri)

[550] とある書店にて
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壁のない自由
自在に選べる
頭を悩ませて
幸せと呼ぶの

2006/03/28 (Tue)

[551] 霞草
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行き場を失い
表記に困り
苛み黒く瞳は翳る

蛍光ペンにも目が眩む
明るい景色は見たくない

モノクロの虹
丑三つの二時

背を向けた陰影を
見落とさず事細かに
振り向かせずに
君は訊く

乾く前に触れないで
注意は聞かずに
自然に不自然に
動いた手が後ろから
僕の口を塞ぐ

べっとりと付着する
洗っても落ちないから
有名な果実の赤すら
ぼやけて判別不能に

振り返る人ひとり
崩れ泣く人ひとり
だから言ったのに

依然として漠然として
山場を迎えても
盛り上がらない
他人ならよく眠れる
快適なストーリー

心の中
壊れて虚ろ
穏やかな
余生を過ごそうと
流されながら
ウトウトと僕も

泣き顔が煩いな

外は晴れ
止まない雨
閉じた口
開いた目
肝心な部分塞がれて
溜め息も吐けず
洩らしたのは


比類無き哀らしさ
貰い泣き思わず
抱きしめた

巻き込んだ弱さとか
差し伸べた弱さとか
相俟って滲んで
余計に前が見えない

対になって遂に
妄(ツク)り上げてきた
闇も身も焼き尽くされ
灰と化し
いとをかし

窪んだ赤い目は
見つめてくる
色彩も感情も豊かに
見つめてくる

息吐く暇もなく
観せられる走馬灯

値の張らない丘で
根を張るには
独りじゃ心細くて
平気なフリをして
笑っていたりして
唇噛んだ顔
マジックで塗り潰し
変わり者演じてた

塵になった孤独
集めて山にして
潤ませた目から
注がれた涙で
産まれた芽を
投げ出さないで
育てみたくて

君を強く抱きしめる

あまり感じないのは
温度差がないから
演技じゃなかった
変わり者の二人には
丁度良いぬくもり

下らなかったら
一緒に眠れば
怖くなったら
起こしてくれたら
孤独を感じても
静かに側に居るから

真っすぐに真っすぐに
見つめ合ってそれから

赤い熱い大地にだって
小さな花を咲かせよう
並んだら少しは強く

瞬間瞬間に抱きしめて
時々ひとり揺れていて

薄暗がりで
霞んだ視界のまま
笑っていたい
明るい光も
たまになら浴びて
二人で居たい

溜め息は要らない

2006/04/02 (Sun)
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