詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
赤い手が伸びる
行儀悪く落ちる水
後退する数万年
目標を巻いて
内側へ引きずり込む
白い兄弟が薔薇す
真っ赤に広がる君は
流れ流れて
吸い込まれる
素性を明かした
野なる穴
チュンチュンチュン
終わりです
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読めないな
心は更に
遠くにあって
ここからじゃ
よく見えない
歩いた唄を
覚えているか
これから先より
手に入れたいもの
手に取れなくて
見つからない
もう歩きたくない
毎日のように思う
それでもまだ
歩くんだ
読み返しても
先を急ぐ
蜘蛛に百足
鶴に亀
朝に夜に
生きて死に
何を読んでいる
なぜ歩く
まだ足りないの
疲れているけど
物足りないな
あなた
行ってしまうんだ
素敵と呼ばれた
道程も
流れるだけの
川でしかないと言う
読み終われば
次に進み
これ以上は
どこにある
心は更に
遠くにあって
ここからじゃ
不確かで
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小降りの雨
小振りの果実
傘はささなくても平気
けれど少しは濡れる
柔らかい土の上
平熱よりも微かに
冷たい二人
向かい合っていた
しとしとしとしと
湿る空気
ドクドクドクドク
高鳴る鼓動
一コマのサイレント
片方の口だけが動く
昨日の夜を
思い出しながら
静けさに紛れて
寂しさに敗れて
体育館の裏
いつかは腐る
僕が見ていた
後ろ姿
駆け足で
右曲がりに失って
お話は終わった
どんよりとした
重い空虚
思い切り深く
吸い込んだ
苦しくなって
少し軽くなった空虚
むせながら吐いた
足を凍らせて
追えない理由を作り
魂抜けて
残る塊
そして
今日に至る
同じ輪で話す時は
嘘偽りで
魅せたくて
どんな時でも
本当は
笑っていなかった
慣れない化粧に
苦笑い乗せたり
綺麗になりたいと
はにかんだ君
同じなんだと
感じたなんて
今思えば
笑ってしまう
本当に
笑ってしまう
降りしきる雨の中
夕暮れを背景に
傘もささず二人
あの時も
黙り込んでいた
悲しげな顔をして
何か言おうとした
僕の手を強く握る君
そして
勘違いは始まった
暗い海に浸かり
淡くなる記憶
回想する日も
少なくなった
あの場面だけは
君のようには
消えはしない
そう思っていたのに
色も味も本当に
合っているのか
分からない
コツコツコツ
スーツを纏い
舗装された路を歩く
諦め悪く振る雨
誰の真似だよ
傘はささなくても平気
あの日の真似だよ
劇的な変化は無いが
カシャカシャと
変わるシチュエーション
失ったものを
見つけても
きっと
元には戻らない
この雨も違う
場所も違う
僕の手を強く握るのも
君とは違う別の人
それでも続く
静かに降り落ちて
進む
それぞれのストーリー
体育館の裏
チャイムが鳴って
都合良く解ける足
踏み出す一歩
早く教室に戻らないと
いつの間にか
雨は止んでいた
明日も降るらしいけど
thema00
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地下鉄を走る電車
鷲と掴んで投げた
トンネルの向こう側まで
届かなかった
暗闇に邪魔されて
飛び散る火花
どの道も
無料じゃないなら
せめて
楽になりたいと
逃げた
数十メートル先で
捕まった
誰も無傷じゃ済まないな
掴んだ電車を
元の位置に戻した
何もしなければ
トンネルを抜けて
皆
陽の当たる場所へ
進むんだ
改札を出て
地上まで
紙一重の
数十メートル
何も考えずに
鷲にも鷹にもなれない
捕まるものかと
空に波紋を拡げて
飛べたら
そこは夜
月のない
光の通わない
あなたぼっちの
暗闇があるだけ
やっぱりこうなる
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くしゃくしゃに
丸まった折り紙
必死になって
伸ばしたら千切れた
ようやく千切れた
何かが途切れた
何かって
具体的には何か
言ってみろ
もう一度
くしゃくしゃにして
ポイと捨てた
山盛りの
くずかごに向かって
真っすぐで平らな唄を
平気な顔して歌ってる
素直な君が認められない
ちやほやされていて
とても羨ましかった
僕もそうだったらなとか
いつも思っていた
音がトぶ
宙を浮遊して
ひどい酔い
気持ち悪いな
知らないからこそ
人前で晒せる唄があって
それが悪いかどうかも
知らないから分からない
割れそうなぐらい
力を込めて
ぐしゃぐしゃにした
開いては閉じてを
何度も繰り返した
流石に聞き飽きた
一つ覚えな
ヘビーローテーション
馬鹿みたいに
かけまくるから
擦り切れる頭
交換しても
もう遅い
心ない唄
肝心なものは
胸にしまったまま
自分の命が惜しくて
その割には不用心で
いつも誰かを
うらやましがってる
折れて曲がって
捻れて歪んで
かっとなって
ぐしゃぐしゃにした
真っすぐで平らな唄
僕も歌いたかった
僕が歌いたがったから
千切れてしまったんだ
くしゃくしゃになった唄
伸ばしたら千切れた
素直な君になりたいなとか
また思って
やっぱり無理だった
千切れてしまったから
もう歌う唄も無かった
変な気持ちで
ふらふらと
扉を開けて外に出た
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きみの好きなもの
割と知ってる
きみの使う言葉
聴いたことがある
きみの好きなものは
あれとあれとあれとあれ
それから
昔流行ったあれだろう
足して割らずに
足して足して
イコールしたら
きみのうた
赤いTシャツ
真っ赤なTシャツ
鼻からぼたぼた
落ちてくるもの
きみの血か
きみの血か
きみの血か
どうなんだ
きみの血は
きみの血なのか
それ
きみの血じゃないだろ
好きなもの
吹き込んで
ボタン押したら
流れてきたよ
ろくに編集もせずに
垂れ流し
ぼくらは便器かい
きみの便器かい
それなら
綺麗に使ってね
後を濁さず
飛び立てよ
血液が不足しています
そろそろ燃料切れてきた
呼吸するように
血を盗む
悪くないよね
だって
お腹が空いていたんだもん
仕方ないない
どうしよう
今にも
ネタが切れそうだ
鳥の真似して
空を飛び
鳥の真似して
焼かれて死ぬの
先の見える
結末に向かって
手足ばたつかせて
飛び立つ前に
落ちていく
地獄でも
手足ばたつかせる気なの
どこからどこまでが
ぼくなのか
境界線の向こう側
思えば最初から
飛び出していた
最初から鳥だった
違う意味で鳥だった
どういう意味で鳥なのか
それが物語ってる
それ
その血
それ
ぼくの血じゃなかったの
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遠回しに告白したよ
地球を一周するように
朝おはようと
話しかけたのは
最高値の勇気だった
顔から火を吹くのかと
下駄箱に入りたいと
願ったよ
僕自身がラブレター
熱烈なラブコレクター
君の一言で
舞い上がるシアター
定期入れに
君の笑顔が隠れてる
誰にも見せないように
勇気を出せと
その源と対象が
一致してる
あとは君が
うなずくだけで
天にも昇る気持ち
運命のカギを
預けるなら君がいい
不器用な僕なりに
君が好きだよ
口下手な僕なりに
君が好きだよ
遠回しに爆発したよ
地球を一蹴するように
夜さよならと
電話したのは
最高値の勇気だった
上履きに火をつけて
思い出全部消えちゃえと
願ったよ
僕自身がラブレター
熱烈なラブコレクター
君の一言で
舞い上がるシアター
君に借りた
絵本の世界に隠れたい
誰もが羨む幻想に
勇気を捨てろと
その源と対象が
一致してる
あとは君が
うなずくだけで
地に堕ちる気持ち
運命のトビラ
閉じるのなら君がいい
不器用な僕なりに
君が好きだよ
口下手な僕なりに
君が好きだよ
スタートからゴールまで
一人舞台のフルマラソン
一度も触れられず
スカートめくれず
君の正体は永遠に
溶けない氷の女王様
右手にロウソク
左手にムチ
激しく使ってくれたなら
二人の距離は
縮まるセーター
ハートの刺繍入りだった
手を挙げて
横断歩道
渡らなかったのは
グレたわけじゃない
君を想ってのこと
椅子の上
画鋲が
ラブレターだったなら
机の中
カビたパンが
ラブレターだったなら
不器用な僕なりに
君が好きだよ
口下手な僕なりに
君が好きだよ
不器用な僕なりに
君が好きだよ
口下手な僕なりに
君が好きだよ
もう居ない僕なりに
君が大好きだよ
by.XそれからS
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究極の愛を聴いた
欲の歪みに
耐えられない
他人の嗜好なぞっても
吐き気がするだけ
それなのに常習犯
一度ハマったら
中々抜けない
オカズが無いと
言葉も出ない
無能な頭を抱えて
部屋から身を離す
誰も近寄らない
交差点の真ん中で
理想の女が立っている
一目見てすぐ
目を逸らした
あなたの浮かべた
その顔と僕じゃ
一致しないから
この手には落ちないと
その手には乗らないと
呟いて
逃げるように
次のステージへ
借り物の詞
繋ぎ合わせて
模型を造る
誰の未来の実現か
裏側のないジオラマで
朝まで遊ぶ
大人は幼児に還りなさい
無限の海に入ると
視界はボケて
一生をかけて
蓄積した記憶が気化して
赤子に戻る
青い砂浜で
覚えた言葉は
みんな忘れてしまうんだ
いつかはいつかを失う
永遠に無限大
嘘臭い噺を道端で
名も知らぬ
子供に聞かせていた
おどけて踊るマーチ
恐ろしいことに
平気な顔をして
アイツは笑ってる
愛する人の皮を被り
羊のフリして笑ってる
翌日には紙面を飾る
馬鹿が居る
それぞれが
それぞれの唄を泣く間
はぐれてしまった
さっき転げ落ちた坂を
見上げると見えなかった
ここからじゃ
生まれた頃に気付かない
戻る気にもなれない坂
曲がるのも面倒で
真っすぐに下っていく
嘘ばかりの高速を飛ばす
やる気のない進化を
続けるのも今だけだ
締めの文句が
思いつかなくて
仕方なくウリにしたのは
愛と平和と男と女
特によく売れるのは女
この手の定番には
飽きもせず飛び付くんだ
これさえあれば大満足
そう言い聞かせて
悟りを開くのを諦める
あとは終えるだけ
こんなものを
読み終えても
顔を上げれば先がある
人生は歩き終えたら
それでおしまい
終えるだけ
終えたら終わる
終わったら先はない
あなたの記憶は戻らない
その先はないから
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それぞれが書いているもの
読んだ
それぞれが書いているもの
読んだ
それぞれが書いているもの
読んだ
それぞれが書いているもの
読んだ
それぞれが書いているのに
他に誰が読むんだ
それぞれが読んでいるもの
読んだ
それぞれが読んでいるもの
読んだ
それぞれが読んでいるもの
読んだ
それぞれが読んでいるもの
読んだ
それぞれが読んでいるのに
他に誰が読むんだ
それぞれが書いているうちに
書いた
それぞれが読んでいるうちに
書いた
それぞれが書いているのに
他に誰が読むんだ
それぞれが読んでいるのに
他に誰が読むんだ
僕が書いているのに
それぞれが何かしている
僕が書いているのに
それぞれが何かしている
僕が書いているのに
それぞれが何かしている
僕が書いているのに
それぞれが何かしている
それぞれが何かしているのに
他に誰が読むんだ
僕が書いているもの
他に誰が読むんだ