詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
絶海の孤島から
その奥の洞窟から
突き当たりの穴から
底の見えない底から
呻くような声がするよ
夢ェ〜
夢ェ〜
夢ェ〜
夢ェ〜
とても低音
傾けないと聞き取れない
再スタートを欲しがって
小さく空を揺らしている
夢ェ〜
夢ェ〜
夢ェ〜
俺の夢ェ〜
むしゃくしゃして
むしゃむしゃ食べた
山羊の色は関係ない
屋根まで飛んで
壊れて景色に交わって
鼻に残る嫌なニオイ
消えちまった俺の夢
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飲み会のあと
ミミズがウィンク
もう終わりなの?
と
手招きするから
くねくね
ぬたくる様が
艶めかしくて
可愛くて
つい
その肌に
触れてしまった
勝てないものがある
迷信だ
この痒みは本当だ
二、三日で治る
いつしか忘れる
ふとした時に
現れたのは
ほんのジョーク
一線を越え
踊れなかったのが
ショック
手を出して
後悔する
最悪のパターンに
逃げ場もない
残ってもいない触感
醜い性格
撫でて舐め回して
引きちぎって
いや違う
妄想だ
いやいや
ポケットに
乱暴に突っ込んで
壊れたかも
それより急げ
裏の顔が
浮き彫りになる前に
恐怖に任せ
笑ってしまおう
君が好きだよ
その場のノリで
でも
耳元に聞かれたか
ビクビクしてる
裁かれないのが
不思議なくらいに
落ち着かない
朝の五時
電車はまだ来ない
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水分だけじゃ足りない
肉を食べ
緑を食べて
動かせ内蔵
それだけだったら
ここにはいない
本能だけじゃ足りない
夢を食べ
己を食べて
動かせ愛憎
そこからなんだろ
為の為に生きる
見えないエネルギー
千年万年
もっと前から
噂に聞くけど
自然に湧いてくるようで
誰かに何かに注がれる
約束があれば
本番があれば
応援があれば
復讐があれば
あなたがいるから
わたしがいるから
それぞれ
人それぞれ
生きているのは
ここにいるのは
途切れたら
あっけなく灰に
注がれ注ぐ
それがなければ
ここにはいない
惰性じゃ長く保たないぞ
NO 循環
NO LIFE
為の為に生きる
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気持ちが文字化け
なんですか〓って
答を
こっちに振られても
分かりっこしない
それに
分かっても
仮死状態じゃ
表せない
あらゆる感情に
耐えられます
意識はないけど
あったら弱い
人間様には勝てません
実験の果て
死ぬヶ丘に立っている
目蓋が痙攣したら
それは
さようならのサイン
超かっちょё
未来のフォルムで
動きを止める
伝わりません
気分が消えて
固有名詞がゼロになる
なんでも
書いて送りゃー
いいってもんじゃ
ないでしょうにっ
そのままを
頭からかけて3分
お待ちください
目蓋が痙攣したら
それは
さようならのサイン
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おいらじゃないと
持てないかもね
全速力で走っても
あれあれ
亀よりやや遅い
名前はピーター
僕のおじいちゃん
ゼェゼェゼェ
ゼェゼェゼェ
失敗に恐れをなして
明日に震えて闇の中
だんだん
夜が明けてくる
逃げられないと
知った時
迎えなければ
いけないか
俺から行かなきゃ
ダメなのか
そいつはとっても
苦しいな
きちんとできるか
分からない
自由を抱えているもんで
おいらじゃないと
持てないかもね
自力じゃダメでも
銃は使うな
過ちは消えない
繰り返せば
デカくなるだけ
自信と手を繋ぐには
どうすれば
話すことから
始めるしか
振り絞れば
声は出るのか
今日より進まぬ
向こう側
一足お先
待ってるぜ
それでも
僕は放せない
それでも
僕は話せない
ゼェゼェゼェ
待ってるぜ
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二百打っても
悔いは八百
五百打っても
まだ半分
一つ一つに力を注ぎ
人生めがけて振り下ろす
九百打っても
死にきれない
残さず千の杭を打てるか
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どこかに彼の考えと
真逆の答があると云う
己が道をひた走る彼が
理解したのは死の際で
走って 走って
走って 走って
世界中を駆け抜け
巡った
自らが歩む道の正しさを
皆に証明する為に
叫んだ数だけ
人々は賛同し
味方についた
叫んだ数、以上に
人々は反対し
敵となった
どうして俺に
従わない奴がいる?
何一つ
間違ってなどいないのに
彼と違う意見を持つ者は
次々と殺された
彼と同じ意見を持つ者は
さらにその倍、殺された
人の命が奪われる度
彼の行く手は阻まれる
そして暗殺
一瞬のうち
彼の脳裏に
浮かんだものは
一遍の短い詩で
その後の歴史で
語られなかった
真逆の真実が
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「髪型変えたの」
気付かない
「眼鏡を替えたの」
気付かない
「この服買ったの」
気付かない
違うマニキュア
違うカバン
違う香水
違うピアス
何をやっても気付かない
それでもアナタ
傷付かない?
別にいいけど
別にいいんだけど
少しくらい
普通はさぁ
ねぇ?
別にいいけど
そんな強がりも
カレはまったく
気付かない
冷たい視線に
かろうじて
気付けたカレは
反省し
カノジョの変化に
気を配り
言いました
「昨日と雰囲気違うね」
言ってみたけど
分からない
「昨日と雰囲気違うね」
本当にそうか
分からない
「昨日と雰囲気違うね」
だんだん自信が
なくなって
「昨日と雰囲気違うね」
結局
心の中だけで
実際
何も言ってません
ダメだ!ダメだ!
もう一回
髪型変えたの?
「先週ね」
少しやせた?
「変わってないし」
今日はカワイイね
「今日、は?」
二重に整形?
「アイプチだから!」
ドブネズミみたいに美し…
「はい殺す」
喜ばせようと言ったのに
笑顔は消えて
角が生え
鬼の形相
ヤバいぞこれは
何か言わなきゃ
怒っていてもキレ…
「別れましょ」
やっぱり
ダメでした
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月に着いても
雲にはなれない
ライオンにも
大根にもなれない
僕は人間
うまれる途中
産道にて
可能性を
たくさん捨てた
母にも伝わる苦しみに
勇気を強く握りしめ
こたつで見る夢の中
あらわれる比喩
触れようとしたら
朝が横槍を
それでも僕は
幸せでした
太ももが少し
かゆいくらいで
だけどいつしか
未来を迎え
出したお茶は
紫色に
座敷は鉄に
みるみる変化
エジソン
ヒトラー
アインシュタインが
肩を組んで笑ってる
出口はうしろ
コースを外れ
どんどん進化
どこまでも
月に行かずに
雲にもなれる
ライオンにも
大根にもなれる
僕は人間か
比喩が比喩じゃ
なくなる日
奪った可能性を
モノにして
人が人じゃ
なくなる日
恐怖に襲われ
自分さえ
捨てそうになった時
うまれる途中
産道にて
可能性を
たくさん捨てた
星にも伝わる苦しみに
勇気を強く握りしめ
僕は人間
大きな声で泣いたんだ