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高級スプーンの部屋  〜 新着順表示 〜


[607] 七月の雨
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ひとりと

ひとりと

ひとりと

ひとり

しとしと

しとしと

雨がふる



ああ


そうか



七月か




しとしと

しとしと

ひとりと

ひとり


触れるたびに

気がついたこと


思いだせないこと


まだ大丈夫


そう



思ったようなこと



話したいけど

ひとりと

ひとり


聞こえてくるのは

雨のおと


聞こえてくるよな

声はどこ



しとしと

しとしと

雨がふる

しとしと

しとしと

雨がふる





もう






七月か

2006/07/06 (Thu)

[606] オーバークローバー
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大丈夫

まだ行ける

もっと行ける


しまった

お金が足りない

のりこし精算機

払う金がない


まだ見つかってないのに

あーあ


だからって

そんな表情しなくても

2006/06/28 (Wed)

[605] お好み焼きのある風景
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じゅう

じゅう

じゅう

てこ入れ返して

じゅう

じゅう

じゅう

も一度返して

じゅう

じゅう

じゅう

ソースをべとり

マヨをすらすら

かつおと青のりお好みで

お熱いうちに召し上がれ


ほくほくほく

ほくほく食べて

ほくほく笑う

あなたはおいしい

わたしはうれしい

みんながたのしい

元気になれるお店です

活気があって家庭的

そんな風景を大切に

今日も焼きます

お好み焼きを


あちちち

油が鉄板はね返る

元気なヤツだな

負けないぞ

豚玉モダン焼そばだって

ありますあります

なんでもござれ

今日も焼き焼き

お好み焼きのある風景

2006/06/25 (Sun)

[604] 不審心
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聞こえない恋

始末に負えない

2006/06/25 (Sun)

[603] 雨宿り、雨上がり(後)
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一人歩きのお話が
辿り着く先に
待つものは
読み進む先に
掴むものは
得られるものは
本当にあるの
不安になるのは
怖くなるのは
灯りも持たずに
暗夜を独りで歩くから
そんな単純なお話で


いつだって
後向きな作りをしてて
抽象的に語っちゃって
語尾を曖昧にして括る
しまいには自分でも
理解不能な意味不明
伏線をバラまき過ぎて
収拾がつかなくなって
書き棄ててるのは
あぁ

俺か


どんな話がいいだろう

次を考え始めると
それより昔は忘れてく
その繰り返し
その繰り返し
それでいいんだ
それでいいのか


結末を知る前に
絵本を閉じるなんて
ちょっと待てよ
「僕」のお話は
まだ
終わっちゃいないだろ


自ら狭めた
道も見ないで
自ら造った
殻に籠もって
空も地面も
自分ですらも
本当は
見えていなかった
でも


無理矢理に
断ち切ろうとしたお話は
ぎこちないけど
首の皮一つ
この場所に
繋がっていたみたい


軒下で少し雨宿り
足元を確かめてみる
それから絵本を
カバンにしまうと
同時に
頭の上から声がして
気のせいかな
顔を上げると
「僕」と目が合って


はるか昔に雨上がり
落としたお話
拾って進める
気付けば「僕」は
前を向いて歩いてる
地面が変われば
自分も変わる
そんな美味しい
ハナシはないか


目を逸らして
うつむいて
相変わらず俺は
下を向いて歩いてる


ラストを飾る一行は
もう少し先でいいや

2006/06/24 (Sat)

[602] 雨宿り、雨上がり(前)
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どんな話がいいだろう

絵本の中から声がする
錯覚かな
確かめようと
手に取って
そっと開く
すると
こことよく似た地面が
一面に広がって


足元だけ顔を出す
「僕」の目線で進むお話
後を追うように
ページをめくる
どこまで行っても
「僕」はうつむいたまま
前を向かないから
空もろくに登場しない
場面が変われば
地面も変わる
歩いているのだけは
分かる


ぶつぶつ呟いて
時々ため息吐いて
何やら考えて
頭を悩ませてる

どんな話がいいだろう

俺に
訊いたんじゃないよな?
独り言が妙に
胸に響く


路面にできた水たまり
蝶がそれを
うまそうに啜ってる
隅の方でちらりと咲く
雨つぶ乗せた花の群れ
星くずみたく小さく輝く
見慣れていた光景は
見逃していた風景で
改めて見ると
良いもんだな
って
聞こえてないか
こっちの声は
伝わらないか
返事はないし
そして
「僕」は進む
考えなしに
次のページへ


行く先々で声がする
道を尋ねる人
罵声を浴びせる人
エールを贈る人
色んな人の声がする
けれど
「僕」は振り向かない
聞こえてないの
シカトしてるの
なぁ
話し掛けても
応えない
お構いなしに上の空
下を向いて歩いてる


いま
「僕」の眼に映るものは
目の前にある
地面じゃないな
ここではないどこかで
どこでもないどこかを
じっと見ている
ここではないどこかで
地面じゃない自分を
きっと見ている

どんな話がいいだろう

そればかりで




2006/06/24 (Sat)

[601] 水色の砂の中で
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水色の砂に
飲み込まれ
部屋の内側が
姿を消した頃
水色の砂に
飲み込まれ
部屋の内側で
姿を消せない僕

窒息寸前
醜く暴れようとして
一つも動けなかった
そして
今に至る

消化はされない
何であれ
部屋を出るまで
姿は残る
ドアを開けたら
どこまではばたく
一家揃って砂まみれ
軽薄な意識だな
水色の砂の中で
そんな事を考えた

携帯電話みたいに
使っただけ減るのなら
僕はどこで自分を
消費していたんだろう
だって今まさに
消えようとしている
この瞬間は幻か
心はやはり
ここになく
緩やかに心臓が動くのみ

水色の砂
水色の砂
僕の頭から流れだした
水色の砂
水色の砂
部屋の中を埋め尽くした
水色の砂
水色の砂
部屋の外は静かな夜です
水色の砂
水色の砂

ちっぽけな
僕の頭じゃ収まりきらず
けれども
部屋の外には出ない
ちっぽけな
僕の世界は
広がり薄まり
味のしない
虚ろな無意識
水色の砂が
僕の心か

何を今更

意識は途絶え
水色の砂が
消えた部屋
彼一人だけ残される

2006/06/15 (Thu)

[600] 新作入荷のお知らせ
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何度観ても面白いなら

最初からもう観るな

飽きることにも

慣れたんだろう

何も感じていないのに

思い込みが激しくなった

だったら早く引き返せ

新作を全て元の位置へ

店員にありがとうと

言われる前に店を去れ

奴等もただの人間だ

薬なんかじゃないから

忘れる頃まで飽きている

来た道を帰りつつ

悔しい思いが広がって

借りた時より満たされる

2006/06/14 (Wed)

[599] 水色の砂
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部屋一面に広がる
水色の砂
床もテーブルも
埋もれてもう見えない
お気に入りだった
ポスターも
頭の方しか見えなくて
天井が目の前にある
時計は真横に
座ろうにも座れず
寝転がるしかない

寝るにも飽きた
お腹も空いた
大声で叫べば
誰か助けに
来てくれるだろうか
外側からなら
開けられる
鍵が掛かっているけれど

開けた瞬間
外に砂崩(ナダレ)る
親か友達か
はたまた救助に来た人か
飲み込まれてしまわないか
心配するのか
してないか
砂に飲まれて
死ぬかもしれない
死なないか

少し
少しずつ
砂のかさが増している
このまま僕は
埋もれて死ぬのか
いやそれはない
保障はないのに
そう思った

心は幻
それでも
砂に触れられる
今だって
砂に触れている
水色の砂
片手ですくう
触ると
さらさらしていて
冷たくて
気持ちがいい
こんな状況なのに
何を考えているんだろう

天井に鼻がつきそうだ
急に恐ろしくなって
思わず
起き上がろうとして
鈍い音が
狭くなった部屋に響く
こんな状況なのに
何をやっているんだろう
このまま僕は
埋もれて死ぬのか
いやそれはない
保障はないのに
保障はないのに

心は幻
夢偽りならいいが
水色の部屋
それでも
砂に触れられる
今だって
砂に埋もれてる
水色の部屋
大声で叫べば
誰か
助けてくれるだろうか
外側からなら
開けられる
鍵が掛かっているけれど

2006/06/14 (Wed)

[598] 嵌ってもいいですか
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カチリと鳴回すと
崩れる炎
空へと
ゆらめくるめく思い
火力増し
強くなるだけ
息苦しいよ

夢こそ愛で
愛こそ夢か
捨てたくないもの
沢山あるけど
捨てられないもの
一つだけ

後向きにもなる熱さ
気持ちだけは
上昇しなくちゃ
風に舞い
昇れ天まで
宙の果てまで

怪しい動きをする
暗い雲共
四方八方から
攻めてきた
キめられて
ガンジガラメ
大事な時に限って
身動き一つ取れない

されど
熱く燃える
炎揺れる
心脈打ち
突き動かせ奔能
焦燥と衝動の狭間で
想いのすべて
烈火の如く
楔断ち切り
バラバラの四肢奮迅
叫びを殺し
虎私眈眈と狙え
その首根
その心芯
間隙縫うように這い
一途に負けずに
一直線に飛び掛かれ

食べたいな
それだけ

本心は別に
切り取って
家に帰って
組み立てようか
残った紙屑
空いた穴から
見える残像
楽しみながら予測して
憎いねベイベ
嵌ってもいいですか

2006/06/13 (Tue)
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