詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
まただ
聞きたくなかった
もう遅い
聞いてしまった
誰かが誰かを
嫌いになりました
僕じゃないよね
それならいいけど
胸の辺りが空の上
スポイドで救った
未知なる物質
投下された
僕の心臓に
麻酔も無しに
何をするんだ
まただ
聞きたくなかった
もう遅い
効いてしまった
君が好きだ
なんて歌うな
数百文字程度
暇があれば
直接言えよ本人に
私に
僕に
訴えかけてくる
未知の物質
体中を這いずり廻る
クラクラする
炭化してゆく
今にも崩れそう
人前では現せない
この人相
悪魔の悲鳴そっくり
まただ
効きたくなかった
もう遅い
聞いてしまった
今の僕に
願えるのは
歌えるのは
それしか無いから
聞かないで
君に嫌われませんように
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赤い観覧車舞う下
行き交う人
呼び止める声
お洒落なのは外見だけさ
綺麗な街は蜜の味
たちまち人は騙され狂う
らしさはなく
華となり蝶となり
高価な効果で降下させ
あの手この手でたぶらかし手を汚さずに汚します
毒の味
知る人に尋ねても
口は亡く閉鎖
意識を瞑って
歩きましょう
赤信号止まるな危険
肩を叩かれても
振り向かず
美麗な景色を楽めば善い
妖奇な匂いに誘われて
新しい駅を降りれば
其処は底無しの穴
微睡みの街
微笑みが優しく
裏腹に冷たい瞳
貴方を落とす
もう戻れない日常まで
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空が曇る
きっと晴れるんだろう
でも雨が降るんだろう
どうにも苦しい
胸に絡む煙が取れない
都会は汚れているから
だけが原因じゃない
蜻蛉のように浮遊する
記憶噛み潰しても
やはり味がしない
理由は分かってる
無関心過ぎるんだ
曇りなき心が
正しき強さなのか
答えを出す前に
飛び去る蟷螂の
羽音がぼくを掻き消した
相変わらず
空は灰色で
いつものように
淡々と真下を歩く
蟻とぼくに差異はなく
今誰かに
踏み殺されても
文句など言える筈もなく
ぼくは曇り
蜘蛛は彷徨い
空に根を張り地は陰る
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離れて少し
分かったこと
逢えて
嬉しいと思えたこと
いままでまったく
気付かなかった
長く近くに居すぎて
視えてなかった
醜さ以外何も
これで良かった
とは言えない
でも今は少しだけ
見方を
変えられるようになった
生理的に
受けつけなかった
貴女の事
本当は
愛してたんだ
たぶん
きっと
親不孝な
息子でゴメンナサイ
上手く表わすには
もう少しかかると
思うけど
少しずつでも掴みたい
二人の距離感
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急に陰る部屋 掴まれる心 我を失い 余白を埋められ 圧迫されて 呼吸の加速が止まらない
何も映らない 君さえ視えない 私を認められず 宙で溺れては 乱れる頭
介入してくる もう一人の誰か 指示を受け鵜呑みにした体が暴れだす 流されていく 飲み込まれていく 破棄されていく 助けを呼んでも 声にならず ひたすら無音無明の 痛みだけが続く
明滅する舞台で 白黒つけられず 感情の赴くまま 絶叫を繰り返す
あんな私を 表わしたくて こんな私を 身近に感じて欲しくて 己にしか見えない苦しみを 最も近い言葉を並べ 嗚咽混じりに 全てを曝け出し 哭いているのに
伝わらない 上手く描けない 結局 私を受けられるのは 私しか居らず 力は内側に溜まり籠もり 悪戯に容赦なく 私ばかりを傷つける 狂うまで 壊れるまで
抱える想いは闇の中 実をつける事なく 暗に消える
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スミマセン
今日何回言ったやろ
ゴメンな
今日で何回目やろ
なんでやねん
何謝ってんねん
俺が一体
何したゆうねん
そりゃ色々やったけど
こんなに毎日謝って
どうするつもりや
何がしたいねん俺
どこに行っても謝って
うちに帰っても謝って
頭ばっかり下げるから
ちっとも上に行かれへん
なんて愚痴こぼすうちに
夜は白んできて
また一日の始まりが
やって来てもうた
あー今日も謝るんかな
あー何回も謝るんやろな
あーもうどうしようもない
言いながら
それでも俺を
必要としてくれる
お前が居るから
俺は今日もまた
なんやかんやで
頑張れるんや
謝っても
謝っても
また前を向いて
同じ過ち繰り返さんように
もっともっと
俺は成長するから
よう見とけよ
俺のすべてを
カッコ悪い部分も含めて
いつか必ず
お前を幸せにしたるから
えっ
なんて?
ゴメン
自分に夢中で
話聞いてなかったわ
ワハハ
ハイ
ごめんなさい
少し大きいこと
言いすぎました
ゴメン
ほんまゴメンな
今度こそ約束守るから
ほんまにほんまに
マジでマジで
ふざけてないふざけてない
ハイ
すみませんでした
心から
申し訳なく思ってます
ゴメンなさい
もうしません
ハイ
分かりました
ハイ
会社に行ってきます
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いつまで
ガキのつもりなんだ
お前はもう
大人なんだぞ
時は進んでる変化する
俺止まってる変化なし
あの頃と全く同じ心境
あの頃と違うのは身長と
更けた顔ぐらいで
中身はまんま
ガキのまんま
自分のワガママ貫き
嫌な事には
フタをしてきた
いつかどうにかなるさ
その台詞とっくの昔に
有効期限切れてんぞ
今は過去になり
未来が今になり
それでも現実を
リアルに考えられず
問題は山になるばかり
長期延滞している
夢や愛は名ばかりになって
叶える為の時間は過ぎた
蓄めに蓄めたツケの代価
一体何で払うつもりだ
オイ聞いてんのか
オイ聞こえてんだろ
返事しろよ
いい加減素直になれよ
避けてきたもの
真っすぐ見ろよ
大切な気持ち風化する前に
大人になれよ
やる事やれよ
そりゃお前
負けることないわな
だって一度だって
戦ってない
毎回逃げては
自分自身から
後ろ向いて距離を置いて
隠れても無駄だって
醜い部分が丸見えだぞ
いつまで逃げ回ってんだ
お前はもう
大人なんだぞ
幸せにしたいんだろ
隣のオンナ
幸せになりたいんだろ
お前オトコだろ
ここらでビシっと
決めてくれよ
少しずつでもいい
溜め込んできたものに
キチンと向き合って
正面からぶつかっていけ
そうすりゃ
大事なものがきっと
もっと見えてくる
経験を重ねていきゃ
お前も一人前の
男前にだってなれる
やるなら今だ
常に今がチャンスだ
本当の自分に
これ以上嘘つかすな
自分の為に
大切なものの為に
今こそ
一歩踏み出せよ
己の意志で
進んだ距離だけ
自信も必ず
生まれてくるから
今こそ
渾身の一歩を繰り出せ
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次の曲がり角を
真っすぐに
そう
欠陥のない
商品なんて無い
未完成が
事故を彷彿とさせる
多発する自己による失敗
防ぎようが無い
だって絶対じゃない
アアア
ぬるめの歌
ゆるめの音楽
弛緩する脳内
痴漢する車内
警鐘そして重傷
不確かなレールを
走っている最中
不測の事態について
読み耽っていたら
肝心な恐怖を
一つ前のホームに
置き忘れてきてしまった
許される余地のない弁明で
あと何回甦るだろう
死人の記憶
その表情が
逃れられない
どれを選択しても
君の運命は同じで
此処まで来たら
引き返せない
あとは終わるだけ
あとは終わるだけ
詩が詠うのは
僕の頭について
それ以上は
答にすらならない
それを言えば
最初から
答なんて
最後まで
答なんて
あってないようなもんで
だから
良いも悪いも
僕や君の頭から
具現化されず
消えていった
何度も何度も
未確認の再発見
先祖の墓を掘り返し
棺桶に片足突っ込んで
現世から抜け出す準備
あとは始めるだけ
あとは始めるだけ
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忘れてしまって
気付かなかった
君に話し掛けるの
初めてだった
振り返ってみた
君が立っていた
前にも出会ってた
初めてじゃなかった
いつも何気なくしか
見ていなかったから
気付かなかった
忘れてしまってた
傷つけてしまった
すれ違った人の顔
どれだけの数
ハッキリと
覚えていますか
振り返り
繰り返し
思い返せば
あの時の僕は
君と目が合って
照れて笑ってたような
引き出しの中しまってた
鮮やかな君の笑顔
モノクロになって
ぼやけ塵になって
隅に追いやって
忘れてしまってた
どっちだっけ
初めてだっけ
会ってたっけ
君と僕って
笑ってたっけ
振り返らなくて
気付けなかった
忘れてしまってた
君に出会ったのは
初めてじゃなかった
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ダメだダメだ今日もダメだ たぶん明日もダメだ 昨日もダメだった ダメダメだ考えないようにしよう ダメだ無理だ考えてしまう君のこと でもダメだ 絶対にダメだ ダメだダメだダメなんだ もうダメだ手遅れだってば ダメだ色んな意味でダメだ 人間的にも確率的にもダメだ 全体的にダメだ 僕なんかダメだ ダメに決まってる ダメだ分かってる 嘘だ分かってないダメだ だからダメなんだ ダメだどうしようもない ダメだダメ人間だ ダメだ君が好きだ ダメだ言えない ダメだ君を好きになっちゃ ダメだ僕なんかが ダメだ だってダメだ ダメったらダメだ ダメだってば ダメだ おいダメだって ダメだっつってんだろ ダメだ でも好きなんだダメだ ダメだバカだアホだ もうダメだ ダメダメだ ダメだやめた ダメだやめれない ダメだ眠れない ダメだヤバイ君が好きだ ダメだ好きすぎて死にそうだ ダメだまだ死ねない ダメだ君に会いたい ダメだ会ったらダメだ ダメだでももしかしたら ダメだ希望を持ちすぎだ ダメだ鏡見ろよ ダメだ見ちゃダメだ ダメだ止まらない ダメだ頭から離れない あぁもうダメだ ダメだこりゃ こりゃ相当ダメだ 満場一致でダメだ ダメだなのに ダメだ君が大好きだ ダメだ