詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
ヒマワリの咲く
この場所で
かつて誰かが灰になった
遺された人々は
心を焼かれ
生涯苦しみ忘れない
影を写した壁から
声が聞こえた気がして
狂っているのは
自分で
人間共が
おめでたいと騒いだ日
僕は俺だけを
崇拝しようと決めた
爛れた風景さえ
笑い飛ばせと
痛みが蝕む身体を抱えた
緑のバケモノが騒ぎ
街を赤に染めた
悲しみに暮れて
惨めになった夜も
ナゾめいた怪人は
死ぬ寸前に目を覚まし
ヲカしくなって
笑い転げる
エロスと殺すが
!?に繋がる武器なのだ
酢で清められた性夜
獣を袋に詰めて壊せ
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貴方はミイラ
触れるとすぐに
崩れてしまうの
目の前から
消えてはいつも
何処で何をしているの
手を伸ばしても
届かぬ距離に
貴方が居てくれたなら
苛立ちを
感じながらも
希望だって
抱けたでしょう
散々楽しんだ後
尻尾を巻いて
逃げる位なら
逢いたくなかった
出会えただけで
嬉しかったのに
叶わぬ夢が欲しい
悦びは手に入らないから
楽しめるものなの
私は
貴方の影を
追いかけて
掴めずに悶えて
満たされない心に
砂を注ぐ
浅い夢の中でなら
私の好きな
異なる貴方に
抱いて貰う事だって
出来たのに
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葉が落ちる頃
枯れない歌を探し
僕ら旅に出る頃
また一つ消えた小さな命
そして代わりに生まれる命
風に己、託し飛んでゆく種
遥か彼方の大地目指し
辿り着いた先で待つ
数々の試練
立ち向かうしか他なく
様々な苦闘の果てに
立ち尽くすしか他なく
減っていく仲間達
増えてゆく子供達
過去を背負い
立ち上がるしか他なく
枯れては咲いてを繰り返し
どれくらい進んだ?
今、何処に立ってる?
枯れないように
生きるのは無理
でも僕らだって
また立って
目指して探して
枯れては咲いてを繰り返し
旅を続けるしか他なく
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つぎはぎだらけの薄皮
剥がすのにてこずり
目の前を
見極められないでいる
人間と関係の無い部分に
必死になってどうする
剥き出しになった顔が
僕を睨んだ
かさぶたを
剥がしてしまうように
抑え切れない何かが
衝動的な何かがある
何故か気になるのは
人の人間じゃない部分で
君の眼球に
ぼんやりと映る
僕の真顔を見て
怖くなった
生きているうちに
出くわすのは
余計な事しかないから
この文も読まなくていいが
誰もが抱える
欲求と苦悩は
ゴミを棄てるのを拒む
生み出すものは
膿とゴミと薄皮一枚
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隣で寝ている彼女を
ざくり
コンビニで
立ち読みしている人を
2、3人
ざくり
店員を
ざくり
会社に着き
挨拶がてらに同僚を
ざくり
上司を
ざくり
ついでに後輩も
ざくり
久しぶりに会った友達
帰り際に
また会おうよ
そして
ざくり
帰り道にすれ違った人達を
ざくり
ざくり
マンションの
エレベーターで
乗り合わせたカップルを
ざくり
最後に自分を
ざくり
朝が来て
彼女は言った
お早う
夢も見ず死ぬ
次の日
皆生き返り
全て元通り
なら
僕は詩も書かないのに
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アレは何だ!?
鳥か!飛行機か!
ゆぅえふお〜か!
回転しているぞ!?
木馬か!寿司か!
寿司屋の主人か!?
なんだか茶色いぞ!?
ウ…
ハイそれ違う!!
なんか叩けそうだぞ!?
太鼓か!ドラムか!
とりあえず分かったのは
ツッコミではなく
突っ込まれる方だな!
じゃあ♀か!
ってボケじゃボケ!
回転しながら
雲をかき分けて
優雅に空を飛ぶ物体
注目されてるのに
気付いているのか
いないのか
気にもせずに
飛んでいった物体
その物体は
ウ…
だから違うゆぅてるやろ!
ギョ!
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目新しい日々が
僕の前を吹き抜けた
気持ちの良い風に
意識は削がれ
身体は裂ける
僕は
生きていただけなのに
呼吸を妨げられ
朦朧として
どうせなら
視界の隅々まで
赤に染まればいいのに
と愚痴を呟く
瞼を閉めたままの奴が
よく言えるな
毒を吐きかけるのも僕で
あなた達は
目の前に居るモノを扱う時
何に注意を払い
使用していますか?
説明書を読むだけで
一生の大半を
使ってしまうだろうし
僕自身
自分自身を
よく知らないから
大きな事は言えないけど
手を伸ばせば
あっけなく時は凪いだ
自虐的だからか
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時が流れるのを見ている
ごっこ遊びには加わらずに
親指の爪噛みながら
ただじっと
ずっと見ているロムル
誰も彼を気にかけず
夢中で地球回ってる
知っているのは僕だけか
それともロムルなんて
居ないのか
視線を感じても
振り向けば
そこには誰も居ない
井戸端で会議をして
人は一生を過ごす
何話してるのかなって
ひたすら耳を傾けるロムル
僕には真似出来ない
逃げているのは
どっちだ
触れているのは
どっちだ
同じ時間を過ごし
同じように流れても
一つになれず
はみ出して傍観して
爪を噛む僕が本物のロムル
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あーなんだか
ドキドキが足りないよ
平穏な暮らしを願いつつ
どっかで刺激を求めてる
僕も
そこらの奴と
変わらないなって
王様気取る
でも
見透かされるのが
怖くって
右脳左脳を
右往左往してるだけの
裸のプー様が居るよ
感情に名前を付けたのは
誰なんだ
僕の気持ちは何て言うの
「好き」って
幾ら探しても
載ってないのは
あなたの事を
スキじゃないからか
胸の辺りから
ドキドキも聞こえない
時々でいい
ドキドキしたい
あなたと僕
キュンてトキメキ
ドキドキするよな
あーなんだか
ドキドキが足りないよ