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高級スプーンの部屋


[261] 一心不乱嫌酒絶淫
詩人:高級スプーン [投票][編集]

なんせ
旧式オンボロサイレン
だから
どれだけ警告したって
微か過ぎて
彼の耳まで
届きはしないんさ

『駄目ダ。ヤメロッテ!
 彼女ニャ手ヲ出スナ!』

いままでに無かった
ひょんなトコから
産まれた
浮ついた気持ち
彼は
誰にも止めらない
頭冷やさず
彼女にお熱
あっぷあっぷ
ヒートアップ
登って調子こいて
テンション高々で
ぶっ千切って理性
隣で涙ぐむ君
のち
途方に暮れる夜

今回ばかりは
お手上げだ
好きな人より
誰かを好きになる人を
制御するにゃあ
この代物
チト古すぎて
使い物にならんぜぃ
仮に彼に
まともな部分が
少しでも
残っていたらば
耳を塞けば
聞こえたハズだ

『駄目ダ。ヤメロッテ!
 彼女ニャ手ヲ出スナ!』

彼女の前で
尻尾フリフリ
腰をフリフリ
アホ過ぎな無謀さは
彼の
隣の君を
突き落とす日が来ると
いうリスク背負うと
そんな
バカさ加減にも
気付けないのは
胸の高鳴りが
警報だと気付けなくて
ハートが上手く
機能しないのだって
仕方がないのかよ
どうなんだ

『駄目ダ。ヤメロッテ!
 彼女ニャ手ヲ出スナ!』

届かない
何を言っても
今の彼は
止められない
一途な不純一直線
彼女まで
届いたなら
もう戻らない
振り向けない

今ある幸せ過去になり
新たな幸せ手にした時
彼は心から良かったと
思えるかい
その時
隣の君は
裏切られたと
切なくなるかい

2005/07/11 (Mon)

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