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高級スプーンの部屋


[262] 夏の雨は生温さを奪う
詩人:高級スプーン [投票][編集]

白濁に濡れる
君の顔を見て
望みを失う

人間は臭い
生きている間中ずっと
吐き気のする
匂いを嗅いで
過ごすには
何かで紛らわさなければ
じゃないと
萎えたままで終わる

瞬間の為に
身を滅ぼすのは
簡単だから
すぐに傾けた
泣いている君の
首を絞める
何をされても
緩める事無く
首を絞める

歪んでいる
誰だって真直ぐじゃない
本気で
誰かを愛したかったから
愚かな行為に
及んでしまった

僕を真正面から
愛してくれたのは
君だけだったのに
オカズにして
消化してしまった

夏の雨が降り注ぐ
君を
抱き締めていた
暖かさが奪われた今も
ずっと
いつまでも
ずっと
いつまでもは
ずっとは続かないと
知っているのに
僕は
抱き締めていた
愛した行為を
確かめるように

溺れても最後は
萎えて終わるんだ

2005/07/12 (Tue)

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