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高級スプーンの部屋


[422] 代り者とスケルd
詩人:高級スプーン [投票][編集]

何処に産み落とされ
何処で命を落とすのか

生き方さえ操作され
自由に動けないなら
誰の目にも
触れない場所で
死に方を決めようか

でもその前に


変り者の前で
立ち止まると
ロクな事がない

気付いた人の
ほとんどは
抜け出せずに
留まったまま
動けなくなる

立ち去る人も
戻ってきたり
また離れたりを
繰り返す事が多いし

ある種の中毒症状は
変り者から感染し
やがて宗教に変わる

存在しないから美しい

神格化する
流行病の元凶は
都市伝説の中に
身を投げた


程よく適当に
心地良い
不鮮明な透明感は
矛盾や制限を擦り抜けて
正体を明かさず
耳元で
理解不能の
秘密を漏らす

吐息一つで
身も心も震えてしまう

噂によると
仮初めの世界に
落ちているらしい
変り者の個人情報
表現力の可能性だけ
記号化された
死体の羅列が
読み手を阻む

手に入れたとしても
心地よさと恐怖の
バランスが崩れ
半ば強制的に
僕は我に還る

中身しかないから美しい

色褪せた
ネオン街に
興味が失せて
実在しない妄想へ
再び

変り者の未来は
僕が決める

2005/11/28 (Mon)

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