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高級スプーンの部屋


[614] 完結までの飾り付け
詩人:高級スプーン [投票][得票][編集]

生まれつき人は死ぬ

自分は違うと

認めたくはない

けれど

運命を信じる神様が

こちらの言い分も聞かず

唐突に終止符を撃つ

簡潔に倒れて完結

冷たい眼をした

絶対の前で

可能性は未体験に終わる

それこそが

不自由と自由の境界線か

時計や鼓動が停止しても

終末はまだ来ない

確かなものは仮説だけ

だから

不意に思い出すと

怖くなり否定する

僕も同じように

枠の中に在るんだ

いずれは

消費され喪失うこの身

棺桶にオビを付けるなら

何と書こうかとか

どうでもいい事に

振り回されて生きている

忘れ去ろうと逃げながら

無駄な作業を続ける人生

嫌いなアイツに

お腹を見せる

手を噛むシーンが

頭に流れる

温もりのある場所で

いずれは安心さえも

奪われると怯え

気が狂ったフリをする

感傷的に脚色して

妄想に力を注ぐ

どれも失敗に終わる

決定事項なのに

まだ覆せると思ってる

結構しあわせな奴なんだ

2006/08/13 (Sun)

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