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高級スプーンの部屋


[630] もう青くない、春
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もう青くない春
どこに行けばいいのか
迷ってる
道を閉ざされたんなら
ともかく
どこに行きたいのかも
分からない
幸せな悩みを抱え
誰よりも
不幸なツラをして
ため息ひとつ
ふたつみっつ
止まらない

この野郎
塵になって消えろと
ビールを一気
もう諦めたんだと
首を振る
もうダメなんだと
酔いが回る
それでも
頭から離れなくて

考え始めると眠れない
選んだ夢さえ
叶えられずに
急に死ぬのが怖くなる
もうこんな時間か
ふと君を思い出し
来た道ばかり振り返る

夏のクソッタレは
秋になっても
愚痴愚痴よく鳴いて
冬が始まっても
片付けられないまま
また春が来る

少し茶色くなってきた俺
未来は残り少ないぞ

2006/11/05 (Sun)

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