詩人:高級スプーン | [投票][得票][編集] |
先の見えない
山を越える
裸足で険しいその道を
歩くよりも
想像を絶する苦悩
誰かが
体験していても
僕は早く
この瞬間が
終わってほしいとばかり
願っていた
恐れを紛失くして
人混みにダイブ出来たら
受け止めてくれる人は
いるだろうか
実行すれば
巻き添えを食らう人々は
迷惑そうに
面倒臭さそうに
首を横に振る
いつものように
朝を迎えて
最先端の海辺から
留守にしていた
脱け殻に戻る
意識を取り戻して
まず思うのは
君の事
その点では
以前とは違っていた
昨日は
こっちから
電話したしな
今日は
向こうから
かかってくるはずだ
それがなければ
心配で
不安になれば
メールをして眠る
陽が沈む頃
バイトに出掛ける
工場で携帯の点検作業
休憩時間は
自分のケータイ
返事がないか
チェックしたりして
いつもとは違う
待っても連絡が来ない
電話をしても
繋がらないし
何かあったのか
それとも
愛想が尽きたのか
すべては
夢幻だったのか
君と出会った
海辺に行っても
足跡はないし
掲示板にも
書き込みはないし
センターにも
留まってないな
メールをしても
返ってこないな
孤独に
1を足しても
満たされない
不特定多数の正体不明
調べれば分かる程度の
人間達と輪になって
和を求めれば
少しは緩和するけど
一時的な
処置でしかない
それなら
孤独から
1を引いてみれば
少しはラクに
なるかもしれないけれど
だがしかしでもだけれど
君がいるだけで
他には何も要らなくて
以前にはない
答があって
探しても探しても
見つからなかった僕が
此処にいて
君と一緒に
此処にいたくて
痛くて
先の見えない
山を越える
裸足で険しいその道を
歩くよりも
想像を絶する苦悩
君が
体験しているなら
僕がすぐにでも
受け止めに行く
願いじゃなく
本心で
助けられるか
分からないけど
巻き添えになっても
後悔はしないし
ずっと一緒に
側にいたいと
二人でなら
どんな孤独も
どんな痛みも
耐えて
笑える日もあると