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高級スプーンの部屋


[679] 卒業できない(結)
詩人:高級スプーン [投票][編集]

流れてくる歌が
変化を知らせる

神さま蛍さま
またしても試練ですか
ずかずかと上がり込み
目の前へ
着うたが僕を
ひょいと持ち上げ
早く出ろと
脅迫・催促する

今になって
君からの電話
出られない
僕を呼び続ける
もうすぐ
一曲終わりそう
二人の関係も

だから押せない
通話ボタン
でも
このままじゃ
どこにも行けない
でも
このままで
どこにも行きたくない
此処を離れるくらいなら
まだ
殺された方がマシだ
そう言えるなら
覚悟はできたな

いつのまにか
僕は頂に
そして
此処から
飛び降りるように
ボタンを押して
久しぶりの
君の声を
静かに待った


















長い長い沈黙
深い深い静寂

半永久に
続きそうな気がして
狭苦しくて
もうダメだ
僕から言葉を
吐いてしまう

ごめんなさい
ゴメンナサイ

笑っていたのは僕だけ
耐えていたのは君だけ
大切なのは自分だけ
あとは全部嘘
その嘘は全部
君に見抜かれていて

愛してると言われ
傷ついて
君はすすり泣く
それ以上
僕に言葉は無く
しどろもどろ
無防備なまま
此処でもまた
己だけを庇う
がら空きのまま
心を流す君
精神的な照明が落ちて


どうしようもないな
時間の経過と共に
過ぎる月が
照らす部屋の行方を
見ているのは

再び訪れる
無言無音の空間に
二人は沈み屈み
底の方で体育座り
意識が飛んで
戻って
君の方を見てみると
誰もいない
温もりさえも
消えた跡

僕はまた
一人になった

2007/03/28 (Wed)

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