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春ヱ彗星の部屋


[2] トトロがいた
詩人:春ヱ彗星 [投票][編集]

いつだってあの場所で
君は寝そべっていた
私が近付くと大きなあくびをして
少しだけ眠そうな目を向けた

大人になっていくのが怖くて
未練がましいかもしれないけど
こうしてこの楠の下で
君に会える度に安心できた

ねぇトトロ、私の心は
まだ大丈夫かな?
踊らされて大事なものを忘れてないよね
ねぇトトロ、私の心は
まだ曇ってないかな?
眼鏡かけて変わっていく
景色の中に

ある日からもうどこにも
君を見つけられなくなった
桜の花が咲き始めて
新しい学校に向かう頃

大人になるのを怖れていた
そんな私がいつの間にか
君のことを忘れかけて
「当たり前」の生活をしてる

ねぇトトロ、私の心は
これでいいのかな?
少しずつ今の私が好きになっていくの
ねぇトトロ、私の心は
これでいいのかな?
まだ少し戸惑うけれど
諦めていく

ねぇトトロ、私の心は
間違ってないよね?
変わっていくこと受け入れていくよ
ねぇトトロ、私の心は
間違ってないよね?
淋しいけど歩いていくよ
君のいない明日へ

2006/08/16 (Wed)

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