詩人:カラクワト | [投票][編集] |
無意識に冷淡になる態度
トゲトゲしいとも言える言動
-表出する臆病心-
でも、誰も気が付かない
気が付かせない。
彼は、屈託なく話しかけてくる
私の近寄り難いオーラは無効だ。
一人が好きなのかい、と私に尋ねた
いや、そうでもないと彼に答えた
彼が自分の中核になる
孤独だった私の当然の帰結
じわじわ、と、込みあげてくる恐怖
なぜ?と彼は聞いた。
なぜわざと嫌われようとするのか
思いきって言ってみた
曰く、
私は弱虫。
素で嫌われるのがコワイんだ
後から、欠点とか嫌なトコとか発見され
嫌いになられるのがコワイんだ
喪失から逃避する弱者-それがワタシ
失ワナイ為ニハ
何モ持タナケレバイイ
ずっと昔、したり顔で悪魔が私に言ったこと
彼はワタシをじっと見てた
それから黙って私の頭を撫でた。
気の利いた一言が欲しいと私は思った
でも何故か涙目になって、
やっばりワタシは死ぬほど嬉しかったのだ
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ヤドカリ君Aは言った
この貝殻は最高だ
だって 大きいし居心地が非常によろしい
ヤドカリ君Bは言った
いやいや このシエル・ホームこそ至極の逸品。
この内部の豪奢なこと!
大きさも全然申し分ない
ヤドカリ君Cこと俺は
テキトーにいい感じの貝殻を見繕い
砂に潜った
すると
ヒュッ、とやって来たニンゲンが
A氏をバシッ、とつかみとり
B氏はサッ、と逃げ隠れ
ニンゲンは去って
B氏は哄笑した
確かにワラエル
マジでワラエル
そして
笑うしかない今日を呪う
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坂道のぼると 汗をかく
かく汗ふくと 気持イイ
気持イイから坂登る
でも 坂登るのイヤだなあ
疲れるから イヤだなあ
そうして 登っていくうちに
すいへい地面が現れて
やっと上り坂 消えた
てっぺん すんごくイイ気持ち
のぼらなかったら 味わえない
のぼらなかったら 疲れない
イヤとイイは双子サン
アルかナイしか選べない
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人に己の影を視る
光の影は結べない
言葉の波に切り裂かれ
断片化した僕がいる
則にかどわかされ
神の手は 私の眉目に
(でも、なぜ――)
月は近くに居て 常に遠くを伺い、
大気は 去来する風に呑まれ、
蟻は 冷淡な雨に怯えるのだろうか。
私を引きずるアスファルト
灼熱の煉獄みち
滑稽なあせは頑張って
熱を拭い
かつ
瑞をかきけす
――でも、なぜ
その癈た右手で
貴方は この仔を 撫でるのですか?
草木は 嗤う。
貴方は 笑う。
なぜなら それは
あたりまえの こと
けれど―
(それが イキルことだからです。)
―その目には
引きも切らぬ 涙
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もうイヤッ!
こんなのにはウンザリだ!
こんな人生まっぴらだ!
下らないルーティンワークも、つまらない飾りも、くすんでいるような恋も、前が見えない事故研鑽も、空気のような友達も、斜めっている家族とかも、全部が
焼き付いた日常
絡み付く係累
固定する慣性
誘導する桎梏
全部 もうイヤッ!!
「サンタさんへ
明日から
自由にしてください」
その辺にあったチラシの裏に書き殴って
即 寝た
翌日から
私を知る者はいなかった
私を見ることが出来る者も居なくなった
私が触れても ただ驚く
これって 幽霊だ
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え…え!!?
ウソッ…ェ、マジで?
…ウソだぁ〜〜!!なんでこのパラシュート、ヒモだけなんだ!!?
落ちるよ コレ?
落ちちまいマスヨー!?
落ちたら 死ぬよ?
押し花みたいに ペシャンコ
痛いだろうなあ
死にたくないなあ
なぜ ヒモ・オンリー?
経費削減か
いや ミスとかじゃないよ
故意だよね
絶対 故意
短い人生だよね
まだまだやりたいことたくさん…
…出来るはずだったのに
嗚呼 地面 だんだん
クッキリしてきた!
其処に 鎮座する 濃厚な 死気
…そして 広げられた君の腕
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左の胸がしみるんだ
君が霞んでみえるから
よく
みようと
すれば
するほど
自分しか見えてナイ
悲しいナ
でも そんなボクを見て
可愛そうにと
隣に座って
手を握ってくれる君は
とてもやさしくて
あたたかい
光が見えない
ナガメでも
この手が ボクを導いてくれる
水が躰を冷やしても
ずっと。
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大勢のひとに囲まれながら
小さな匣に 夢はせる
皆がみな 遠い他人に 恋してる
孤独な 群衆
不自由で 強力な 遠視眼鏡
それで みえるだろうか
(足を踏まれた
関係ナイ。
セカイじゃないから)
緑色の 讒謗に 窒息し
黄色の 隻句 に喜ぶ
(どつかれても
気にしナイ。
セカイじゃないから)
寸毫の 藍いろに泪し
胡乱な灰色を 枕にする
これが セカイ
私の
私のための
私による
セカイ
それで いいと思う
存在託す 愉快な匣
私を
のみこむ 檻
私を
庇護する 則
其処に
残る 澱
ただ
居て欲しいのは 君
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悩んでいるんじゃないのか?
遠慮しないで言ってくれ
苦しまないで打ち明けて
オレが 少しでも肩代わりしてやる
だから
なあ
…あのね、
別れて
私と…
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雨のみち
段ボール箱 ひとつ
開けてみると ネコがいた
ネコは、叫んだ
「馬鹿め!猫が喋るわけないだろう!」
―絶望 色の 悲哀に にじんだ