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カラクワトの部屋  〜 投稿順表示 〜


[13] 朝を待つ
詩人:カラクワト [投票][編集]

錆びた白刃が 空を掻く

ひきつれるものは 何もなく
ヒモさえ 断ち切れはしない

役立たずな 言葉の結晶
或いは
固陋な意味集合

漂白できない頭を持ち
霞では 満腹できない 肝ゆえか


ギラギラした炎球は
彼方へ

地平と抱き合い
黄昏となる

とても 悲しい
切なさに 震え
いつまでも みていた
いつまでも みていたかった

その輝きを 全身で
ひと欠片も余さず
受けていたい

できることなら

もう一度。
綺麗なアシタをくれないか

地球よ はやく回っておくれ。

紺碧の下
朝日に刃を光らせよう
きっと 輝くはずだから


それまでは 夜。

さざめきしかない
小さな海岸。

2007/12/17 (Mon)

[14] グロテスク
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鬱血した顔に
めり込む奴の張り手

次は ハンマー
ドスンと落ちる

周囲には嗤い声が満ち、
そんなに おもしろい イベントだろうか

さらに張り手がとんでくる
彼の手は 濡れ

鉄槌は容赦なく ふりおろされ る

年に一度 誰が決めたのだろう
こんな ユカイな儀式。

ガキ共 は 興奮して
群がる

上気した額には汗

ああ
寒風が そよぎ

ソレは 終わったらしい

祭り OVER。

最後に喰われる



――そんな 正月のひとコマ もちの感慨

2008/11/30 (Sun)

[16] さむがりな君へ
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夜 眠れぬ君に
熱いココアをいれてあげよう

冬のかけらに凍える君の その肩を
そっと上着で包んであげよう

寒い朝
ストーブの前で震える君を
そっと抱きしめてあげよう

雪の候
苦しげに 息を白くする君の唇を
優しいキスで溶かしてあげよう


―ねぇ。あなたは さむくないの?


大丈夫。
僕はね、君がいる限り
凍えることはないんだよ

2007/12/19 (Wed)

[17] 彼女
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ねえ 電話してよ。もっと
―いや一日5回位はしてるだろ!

ねえ これかわいい!買って〜
―また なんでそんな高そうなもの…

ねえ キスして!
―い いま?人いるだろ、たくさん!

ねえ 今度の日曜 海行かない?
―えぇ!?こんなに寒いのにか?

やなことあったの。楽しくして
―いちおうやっては見るが…

ねえ 明日晴れにしてよ
―いや 無理だろそれは…

ねえ 夜ご飯なに食べようか?
―いや お前だろ?好きなもの喰えよ

ねえ もっと好きって言って
―あのね 二桁は言ってるよ。毎日


いつでもワガママな彼女。
多分オレがいないかったら
彼女は生きられない。

ねえ 今夜同窓会だから
―そう。…だから?


「キョウ ハ アエナイ」


ゴロンと横になる
なに しよう
抜け殻な オレ


オレも彼女がいないと生きられない。

2007/12/19 (Wed)

[18] 飴の刻
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飴玉ひとつ
口に投げ込む

ガリリ ガリリと歯で噛み砕く
これが、いい。

姉が口を出す
飴は噛まずに舐めなさい
噛んだら歯にくっついて
虫歯になって しまいますよ

馬鹿だな
飴は噛むから甘いんだ

いいえ 飴というのは
口の中で味わうものなのですよ


いつ誰が決めたのか
律儀でどうしようもなく愚かなひとよ

それは僕にとって
噛むから旨いものなのに

それが わからなくて。

貴方が口にしているのは
ずっと ずっと
綺麗なままの ビー玉

そのことに気付かない。

2007/12/19 (Wed)

[19] エスカレータ
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朝の忙しい時間
エスカレータの真ん中で止まる男がいた。
そこで停止する人波
彼は 老いていた
いらついた しかし 無言の感情が鬱積し
腐敗してゆく
男が上に着いても醜陋な腫瘍は消えず
衆人の時を搾取する

それを横目に
階段者は義憤に憤る

けれど それが。
エスカレータの本来の構造だった。

2007/12/19 (Wed)

[20] シアワセの青い鳥
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青い鳥を飼おう

そうすれば、シアワセが訪れるに違いない

そういう訳でペットショップに行ったら
思いの外 値が張った
やっぱり買うのは よろしくない。

雀は意外に簡単に捕まえられた
青いペンキにドボンッと入れたら
しんでしまった

悲しいが しかたがない。

しょうがないから愛犬に
青色ペンキを塗ってみた
非常に不本意だが
背に腹は代えられぬ。

しかし彼はもはや犬ではなかった
もちろん青い鳥なぞでもなかった
それは恐怖の蒼色。

欲に まみれた ナニカだった

2007/12/19 (Wed)

[21] もし数学が使えたら
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サイン コサイン タンジェント
さんかく ばらす 魔法の呪文

彼と 彼女と 私の関係
やさしく解いて
くれたらいいのに

2007/12/19 (Wed)

[25] トンボというもの
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子どもの頃
秋に

トンボを捕まえ

いみもなく。

その両羽を左右の指でそれぞれ掴み

逆方向に引っ張り、

トンボは 無惨な死を遂げた。


そこにあったのは罪だろうか。
それは悪であったのだろうか。
どんな理由があったというのか。
子供の無邪気があったというのか。
そこには罰が有り得るだろうか。
それとも責任が残るのだろうか。


いいや。

其処に在ったのは
ただ
引き裂かれたトンボの肉だった

2007/12/20 (Thu)

[27] やさしさにあな
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どうしようもなく ただ

頬を伝う

かなしい の結晶。

泣かないでと
差し出された 君の手には
青い ハンカチ


涙を拭って あたしは
気付いた。


彼はさっきトイレに行った
ということを。

2007/12/21 (Fri)
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