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カラクワトの部屋  〜 投稿順表示 〜


[28] ラウ゛ァーズ・ラプソディー
詩人:カラクワト [投票][編集]

恋することは
狂うこと

ただの他人が
神様になる

運命はあの人の
胸三寸

檻の中に 理性
落下する 知性

平静の失踪
思惑の疾走

加速する キモチ
君からすると トモダチ

さりげなく 接近
が、敢えなく 撃沈

嗚呼なんて苦しみ

神様は
なぜ僕らに
こんな試練を
与えるのですか?



天使が囁く。
―それは 最後に祝福されるためなのです

2007/12/21 (Fri)

[29] 加速のひと
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アクセル
アクセルアクセル。

過ぎ行くセカイは後方に
弾丸の如く
ぶっ飛んでゆく
加速続ける己はアクセル
過ぎ行く景色に目もくれず
地平目指して果てしなく
彼方の海まで駆け抜ける
フエル・アーダー
炸裂ダマシイ
一撃必死のフェイタルマグナム

加速し続け
速さを希求し
求めることのなかった流れ星
速度に憑かれた
漆黒の目には

何も見えはせず
誰にも見られはしなかった

2008/06/18 (Wed)

[31] トイレの中の真実
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トイレに入って大を済ませた
一息ついて
手を伸ばした先には絶望
カランという不在の宣告

棚には虚無
日頃の不注意の具現

つまり
何処にもそれは見当たらず
呼ぶ誰かもいなかったのだ

どうしようもなかった
でも 選択肢は限られていて
どうにかするしか無かったのだ

それはいつだって
ジンセイのほんとうのかたち

2008/01/07 (Mon)

[32] 寒月の夜空
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寒い寒い冬のそら
高く遠い星のつぶ

宇天を見上げ
人指し指と親指でこしらえたまる型に
おさまるだけの視界を切り取る

この少ない景色にどれだけの
願いが込められたのか
誰も明かしてはくれないけれど


星々は今日も飽きずに

輝いて きれいだ

2008/02/05 (Tue)

[33] ない者
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私に向かって犬が吠えた。
うるさい、と怒鳴っても
鳴きやまないから
大声で 腹の底から叫んでしまった

子供らは笑い
相も変わらず犬は吠える

しかし誰が気付いただろうか

私の顔面は
赤く歪み

目には泪
それは白色
白痴のような
虚無の悪あがきだった

2008/03/24 (Mon)

[34] 選択の理由
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ある孤島の白浜で
ひとりの老人を見掛けた。

彼は一心に木片を
小刀で削っていた。

死を、刻んでいるんです
尋ねた私にそう答えた
―誰のものか
―何のためか

それならば、
お持ちの品より良く切れる
ナイフを差し上げましょうか
と私が言うと

彼は、要らないと目を伏せた。
何故かという問いに一言

私がそう思ったから

とそっけなく呟いた。

しかし、気が付くと
声の主は少年で
先の老体は何処にも無かった。

―それが孤島の性格だった

2008/03/24 (Mon)

[35] デラレナイ・デラレナイ
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黒の安寧に揺蕩う。

真暗に裂いた 毒の臭いが

正しい未知だと識っている

だけど 照らさないで。

あらわにされる
腐ったうでを

―いまはまだ みたく ない

だから今日も闇のなか。

これからさきも夜のウミ

2008/06/10 (Tue)

[36] ささやかな線
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なぞる。なぞる
ゆびでなぞる

ゆびの先で きれいになぞる

なにかを示すためにか

すりきれて痛くなった指には
赤がにじむかも、知れない

それでも何かが
消えないように

爪を立てたい 衝動を
かろうじで おさえ

なぞる。なぞる
それは、模倣。

だけど明日もめげずに続ける

2008/06/10 (Tue)

[37] くだらない発見
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そのことに
気付かないように
気付かないように
してきたのに、

結局気付かなかったのは

誤魔化しを始めた時点で
そのことに気付いていた

ということだけだった

2008/06/17 (Tue)

[38] ゼロ未満
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もう終わったと
いうきみは
まだ始まってない

種のまま ただおちているだけだろう?

幕をひらけ
情熱をうつせ

回らないフィルムに
手をたたく彼はいない
暗い土中にかじりつけ
始まる前に終りは来ない

それはただ
いつ やめるかだ

2008/08/16 (Sat)
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