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カラクワトの部屋  〜 新着順表示 〜


[5] 波間の情景
詩人:カラクワト [投票][編集]

人に己の影を視る
光の影は結べない

言葉の波に切り裂かれ
断片化した僕がいる

則にかどわかされ
神の手は 私の眉目に

(でも、なぜ――)

月は近くに居て 常に遠くを伺い、
大気は 去来する風に呑まれ、
蟻は 冷淡な雨に怯えるのだろうか。

私を引きずるアスファルト
灼熱の煉獄みち
滑稽なあせは頑張って
熱を拭い
かつ
瑞をかきけす

――でも、なぜ
その癈た右手で
貴方は この仔を 撫でるのですか?

草木は 嗤う。
貴方は 笑う。
なぜなら それは 
あたりまえの こと

けれど―

(それが イキルことだからです。)

―その目には
引きも切らぬ 涙

2007/12/16 (Sun)

[4] 坂、登る
詩人:カラクワト [投票][編集]

坂道のぼると 汗をかく

かく汗ふくと 気持イイ

気持イイから坂登る

でも 坂登るのイヤだなあ

疲れるから イヤだなあ

そうして 登っていくうちに

すいへい地面が現れて

やっと上り坂 消えた
てっぺん すんごくイイ気持ち

のぼらなかったら 味わえない

のぼらなかったら 疲れない

イヤとイイは双子サン
アルかナイしか選べない

2007/12/14 (Fri)

[2] ヤドカリ
詩人:カラクワト [投票][編集]

ヤドカリ君Aは言った
この貝殻は最高だ
だって 大きいし居心地が非常によろしい


ヤドカリ君Bは言った
いやいや このシエル・ホームこそ至極の逸品。
この内部の豪奢なこと!
大きさも全然申し分ない

ヤドカリ君Cこと俺は
テキトーにいい感じの貝殻を見繕い
砂に潜った

すると

ヒュッ、とやって来たニンゲンが

A氏をバシッ、とつかみとり

B氏はサッ、と逃げ隠れ

ニンゲンは去って
B氏は哄笑した

確かにワラエル
マジでワラエル

そして

笑うしかない今日を呪う

2007/12/14 (Fri)

[1] ツンデレ的考察
詩人:カラクワト [投票][編集]

無意識に冷淡になる態度
トゲトゲしいとも言える言動
-表出する臆病心-
でも、誰も気が付かない
気が付かせない。

彼は、屈託なく話しかけてくる
私の近寄り難いオーラは無効だ。

一人が好きなのかい、と私に尋ねた
いや、そうでもないと彼に答えた

彼が自分の中核になる
孤独だった私の当然の帰結
じわじわ、と、込みあげてくる恐怖

なぜ?と彼は聞いた。
なぜわざと嫌われようとするのか

思いきって言ってみた
曰く、
私は弱虫。
素で嫌われるのがコワイんだ
後から、欠点とか嫌なトコとか発見され
嫌いになられるのがコワイんだ
喪失から逃避する弱者-それがワタシ

失ワナイ為ニハ
何モ持タナケレバイイ
ずっと昔、したり顔で悪魔が私に言ったこと

彼はワタシをじっと見てた
それから黙って私の頭を撫でた。

気の利いた一言が欲しいと私は思った
でも何故か涙目になって、
やっばりワタシは死ぬほど嬉しかったのだ

2007/12/14 (Fri)
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