朝の忙しい時間エスカレータの真ん中で止まる男がいた。そこで停止する人波彼は 老いていたいらついた しかし 無言の感情が鬱積し腐敗してゆく男が上に着いても醜陋な腫瘍は消えず衆人の時を搾取するそれを横目に階段者は義憤に憤るけれど それが。エスカレータの本来の構造だった。
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