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ラズの部屋


[19] 未練
詩人:ラズ [投票][編集]


何の気なしに
いつもの指輪をはめて家を出て
街を歩く


ふと、
指に目がとまり
光る指輪をはずして空にかざしてみる


涙が頬を伝った…



その時
指輪は手からすべり落ち、タイルの隙間に隠れた


“未練は捨てろ”

“もう忘れな”


と…囁くような声が耳を切った



一瞬ためらう心に背を向けて

指輪は拾わず
前だけを見て
再び街を歩き出す

2005/03/06 (Sun)

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