何の気なしにいつもの指輪をはめて家を出て街を歩くふと、指に目がとまり光る指輪をはずして空にかざしてみる涙が頬を伝った…その時指輪は手からすべり落ち、タイルの隙間に隠れた“未練は捨てろ”“もう忘れな”と…囁くような声が耳を切った一瞬ためらう心に背を向けて指輪は拾わず前だけを見て再び街を歩き出す
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