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重夏の部屋


[423] 夕立。
詩人:重夏 [投票][得票][編集]

ぽとり、と

花の落ちる気配



恐ろしいほどの静寂を

突然の夕立が

掻き消してゆく



まるで

絹糸のように細い雨の中

淡く浮き上がる

梔子(くちなし)の花



噎せ返るほどに

立ち込める甘い香り



夕立の湿りを

帯びたそれは



時間が経つにつれ

漂いながら濃さを増してゆく

2011/02/02 (Wed)

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