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緋子の部屋


[36] 嘘と息させて
詩人:緋子 [投票][得票][編集]

嘘ではない言葉を並べる人の目は綺麗だ。
揺るぎない真実が、その人の自信と、威厳に繋がっているのだろう。

私はいつまでも汚い嘘にまみれてる。
自分でも真実と偽りの区別がもはや完全につかない。

嫌われないために作る笑顔
頭の中はいつも空っぽ
何も残らない心は不感症

それでも、生きてるふりがしたくて必死に息を吐き出したのに
わたしの耳は音を拾うことを失ってしまった

自分を疑って、自信がなくなって、居場所を失いたくないばかりに、
人間を取り繕うけれど、壊れてしまった人形のように、
まるで意志が交わらない。わたしは抜け殻。ただの死骸。

自分のために空回りして、死者甦生に必死なの。
わたしは生きたい。本当にここにいたい。

もしも溢れる嘘が真っ赤な血となって目に見えてくれたなら
きっと誰もがわたしの必死に生きる様を理解してくれるのに。

2012/04/25 (Wed)

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