詩人:麗華塵 | [投票][編集] |
十字架に掲げられる男
燃える空が嘲笑うかのよう一面に広がる
私は戦っだろうか?
私は生きただろうか?
色々な想いが男の中を交差する…
火をもった兵士が近づいてくる
最後に浮かぶ彼女の笑顔
あぁ…すまない…本当にすまない…
私が死んでも貴女は戦い続けて下さい
聖剣なんて必要ない
人は誰も心に剣を持っている
自分だけの「想い」と云う名の剣を…
その剣が折れぬ限り人は戦い続けられる
足の元に炎が舞い上がる
男は叫んだ
愛しき人の名を…
何度も…何度も…
人混みの中返答する声
処刑台へ走りゆく娘
あぁ…敵軍の中、まさか何故いるのだ…
十字架の前
男の名を叫ぶ娘
王も兵士も国民も…
娘の姿に心を奪われる
誰が敵軍の中に一人でこれようか…
まして、自分から出てこれようか…
何故…何故…
国民の一人が涙を流す
二人…三人…
あぁ…戦火の炎は何を燃やす?
王は己に問う
私は一体何を燃やしたのだ…
「闘い続けなさい…
たった一つの聖剣で
闘い続けなさい…
それぞれの思いを胸に…あぁ燃える空よ…
いつか必ず
皆の聖剣がお前を砕くであろう…」
男は死んだ
娘も処刑の後
消えるようにいなくなった…
燃える空は今日も聳え立つ…