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四季の旅人(畦道)の部屋  〜 新着順表示 〜


[15] 
詩人:四季の旅人(畦道) [投票][編集]



人を襲う
深い哀しみ
一粒の涙
叫び
怒り
悔しさ
悲劇
挫折
別れ
人があじ遭う
言い表せない嘆き
一粒の涙

流れる

生きている
私の前から崩れていくひとつの形
崩壊
消滅
声となり
怒りとなり
涙がこぼれる

何も
この涙
人だけのものではない
話せない
表現出来ない
そのひと達の涙こそ
一番哀しい
涙である事を
人は知るべきだ。

2007/12/10 (Mon)

[14] 泡雪
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泡雪

誰も歩かない
時間と灯りが止まった深夜
星のない空から
白い一片の塊が
手のひらから
こぼれるように
落ちて
降ってくる
二人の頬にふれると
冷め切らない温もりで
声を上げる間もなく融けてしまう
降り始めの泡雪
哀しい出会い
いつもなら
木枯らしの後に訪れて
初雪が舞うのに
季節遅れの
挨拶なのか
積もることなく融けてしまう
泡雪の一片。

2007/12/06 (Thu)

[13] 待ち合わせ
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待ち合わせ(デート)

たった一週間
会わなかっただけなのに
二度目の待ち合わせ
駅のコンコースにひとり立っている
あなたを見つけた時
あなたが
とても素敵に見えた
思わず駆け寄って
やあ!
元気
思わずそう言ってしまった
待った
遅れてごめん
その一言が言えなくて
濁した一言
私無粋なのかな
待っているあなた
とても素敵
どうして素直に
そう言えないのだろう

2007/12/05 (Wed)

[12] 心を忘れた人に
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心を忘れた人に

街は楽しくて快適というから
住んでみたけど
いまの私には
この街はにあわない
生きるために住んでいるけれど
いつも心は覚めている
塗り固められた道
快適な住まい
快楽から地獄まで揃い
満たされているが
土の温もりも草の匂いも感じられない
街行く人は心の中を通り過ぎ
いつも私だけが
廃墟の中に取り残されて
街をさ迷っている
故郷に温もりが存在すると思わないけれど
癒しの淹れたてコーヒーが飲める
古いカフェの椅子が私の指定席
その古里に椅子がある限り
私は訪れて
椅子に座って
いつものコーヒーを口に含み
時を忘れて
古里を味わいたい。

2007/12/01 (Sat)

[11] 灰色
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灰色

雨色
哀しい色
心は沈み
消えない灰色に
溜息ついて
空を見る

灰色
落ち着き
薄明かり
灯のなかで
求め合う
忍び愛

目覚め
蔽い被さる
重くて暗い灰色
去れ
退け
消えろ
そう叫びたくなる。

2007/11/29 (Thu)

[10] 眠り
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眠り

いま
深い眠りが
悩む心を
深海の底に沈めてくれる
この沈下
眠りこそ
悩みからの逃避行
苦悩と挫折
癒されない心
全てを
忘れるために
眠りの中に閉じ込めて
一夜の時間を使って仕舞い込む
一期の安らぎ
すべての癒し
束縛されないで得る事が出来る
唯一の時間
それは
買う事ができない
癒しの眠り。

2007/11/26 (Mon)

[9] 15分の旅
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15分の旅・・・

私のいつもの
15分の旅が
ここ丹波橋の駅からはじまる
丹波から四条まで
昼寝旅に丁度いい時間
電車が動き出す時に
ぐらぐらゆれて
ゴートンゴートンと動きだして
横にゆれ
縦にゆれ
いい感じの導入剤
深く
一時の間
幸せにひたれるいい時間
動いたかな・・・
もう次の駅だ
無粋な車内放送と発車ベルがなければ
夢の中にいれるのに
3分後には
目覚ましの声が待っている。

2007/11/25 (Sun)

[8] 老いた母
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老いた母・・・

老いた母を見ていると
汚いものを見るように母を見てしまう
老いた人に出会うと
つい
母と交差させてしまう
老いて寂しいだろうから
帰って
話し相手になって
いろいろ聴いてあげよう
そう思うけど
行動が伴わない

忘れた頃に行くと
暗い
寒い部屋のなかで
ぽつんと一人
ぶつぶつ言いながら
座っている
母が待つのは
息子の私なのか
考えると自己嫌悪に陥る
老いた母の家には
誰も寄りつかず
荒れている
日頃は
出来た息子と言われたが
いまの私には
何も出来ない
やはり
私も他の人と変らない
最低のひとりかも知れない。

2007/11/22 (Thu)

[7] 落ち葉
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落ち葉

いま
落ち葉が散らばる
それは
朽ちた残像
涙の痕
落ち葉の一枚を手に取って見ると
死に顔が綺麗
散り始めの
美しい色彩の名残の残像が残っている
掻き集め
両手で抱きしめる
温かい
生きている森の温もり
私の冷えた身体を
優しい温かさで
包み込んでくれる。

2007/11/20 (Tue)

[6] 伏見の酒
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伏見の酒

古から作られた
日本の酒
今では機械化され
余り人の手を使わない酒作りになって
米と同じ
飲まれなくなった
日本酒


京都の伏見に
酒の季節が来て
軟らかい水と新米を使い
匠の技で
杜氏が
美味い酒を仕込む


受けない
飲まれない
親父の日本酒
一升瓶と椀で酌み交わし
語られる事のない
古の酒。

2007/11/15 (Thu)
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