コスモスの恋秋深く 見はるかす北の大地にどこまでも続く コスモスの群落その薄桃の闇の中で 僕らはあの日 互いを 見失ってしまった・・風が吹いていた 一瞬 強く忘れていた この胸の痛み十年 夢は薄桃の影にひたされさらに 幾年 苦しい夢見の果てに記憶は ふいに覚醒する あの丘の上で風に佇つ コスモスの花の精のようにしなやかに 蘇る 君の姿ああ 忘れていた ひとつ前の世では丘の向こう あの水辺のあたり 僕らはふたり 静かに暮らしていた・・
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